研究課題/領域番号 |
19390357
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
藤田 博正 久留米大学, 医学部, 教授 (20129638)
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研究分担者 |
柳川 堯 久留米大学, バイオ統計センター, 教授 (80029488)
田中 寿明 久留米大学, 医学部, 講師 (20227151)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70237577)
平木 嘉幸 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 講師 (90264423)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (80284686)
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キーワード | 切除可能食道癌 / 中等度進行食道癌 / T2T3食道癌 / 食道切除 / 根治的化学放射線療法 / インフォームド・コンセント / 前向き臨床試験 / 多施設共同研究 |
研究概要 |
目的:切除可能な中等度進行食道癌を対象とし、食道切除術と根治的化学放射線療法の治療成績を、多施設共同前向き臨床試験で明らかにする。 対象:(1)胸部食道の扁平上皮癌、(2)中等度進行癌:cT2-T3, cN0-N3, cM0, cStage II-III、(3)手術可能な全身状態、(4)根治的化学放射線療法が可能な全身状態、(5)食道癌の前治療がない。(6)活動性の重複癌がない。(7)年齢20-75歳。(8)PS=0-1。(9)文書で本人の同意が得られている。 方法:Informed consentに基づいて、患者が次の2つ治療方法から1つを選択する。 (1)根治的食道切除術 (2)根治的化学放射線療法:主病巣と転移リンパ節に放射線治療60Gy、2群までのリンパ節に予防的放線治療40Gy+CDDP 6mg/m2および5FU 300mg/m2×10日2コース。 Primary endpoint:両群の全生存期間 結果:平成19年10月から平成22年2月までに九州の大学病院と癌専門病院合計14施設より、食道切除例43例、化学放射線療法例9例が登録された。全症例の1年および2年生存率は74%および52%であった。食道切除例の1年および2年生存率は83%、59%、化学放射線療法例の1年生存率は63%、2年生存例は未だなく、両群間に有意差を認めた(P<0.05,logrank test)。食道切除例41例中11例が死亡し、その死因は6例がリンパ節再発、5例が遠隔転移、2例が局所再発(重複有り)、4例が死因不明であった。化学放射線療法では9例中4例が死亡し、3例が局所再発、2例がリンパ節再発、1例が遠隔転移(重複有り)であった。救済手術は1例に施行され、在院死亡となった。 結論:T2T3の中等度進行食道癌では、食道切除術の方が予後良好である。根治的化学放射線療法では局所の遺残再発が多い。
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