研究課題/領域番号 |
19390370
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研究機関 | 宮城県立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
佐藤 雅美 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 特任研究員 (30250830)
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研究分担者 |
島 礼 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 部長 (10196462)
田沼 延公 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 研究員 (40333645)
野村 美有樹 宮城県立がんセンター(研究所), 薬物療法学部, 技師 (40390893)
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キーワード | 肺癌 / 前癌病変 / 早期肺癌 / HRM / プロテインホスファターゼ / 組織バンク / 遺伝子変異 / 遺伝子発現異常 |
研究概要 |
1.肺がん組織におけるホスファターゼ遺伝子の異常の有無の検討 (1)前年に引き続き前癌病変、早期肺癌、進行癌の生検、手術検体、胸水の組織バンク化を行った。 (2)上記サンプルからトータルRNAの抽出を行い、現在cDNAのバンク化を行った。 (3)PTP,DSP,PPに属する全部で50のホスファターゼ遺伝子発現の解析のため、TaqManプローブを用いてのリアルタイムPCRの条件の設定が完了した。 (4)遺伝子変異のスクリーニングするためのHRMシステムを導入し、注目している分子に関する条件設定を行った。 2.小胞体輸送を標的とした癌治療 (1)Dusp26が、KIF3Aを介してKAP3Aと結合しかつ脱リン酸化することを見いだした。 (2)KIF3Aの脱リン酸化により、N-cadherin、βcateninの細胞膜への輸送が障害され、細胞接着が抑えられることを見いだした。 (3)以上のことで、Dusp26は、細胞接着に重要なホスファターゼであり、その発現低下により細胞の播種や転移につながることが示唆された。 3.スプライシングを標的とした癌治療 (1)PP1の結合タンパクとして知られていたNIPP1が、PP1をスプライソゾームにターゲットし、そこでSAP155を脱リン酸化することを明らかにした。 (2)PP1/NIPP1複合体の脱リン酸化活性を増強させることにより、スプライシングを阻害し、細胞死を誘導することが明らかとなった。この作用を用いた新しい癌治療の可能性が示された。
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