研究課題/領域番号 |
19390373
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
今井 英明 群馬大学, 医学部, 助教 (70359587)
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研究分担者 |
風間 健 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30396626)
好本 裕平 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50242061)
石崎 泰樹 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90183003)
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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キーワード | 脳梗塞 / 再生医学 / 軸索再生 / ミニブタラクナ梗塞モデル / ドラッグデリバリーシステム |
研究概要 |
【目的・背景】ミニブタ脳梗塞モデルとラット脳梗塞モデル(研究デザインの工夫:最適条件検索は試行錯誤研究となるため数百匹の個体を要する。ミニブタラクナ梗塞を用いることは実験動物倫理上また物理的にも現実性が乏しいためラット内包モデルを開発し代用する)を用いて、神経幹細胞移植による脳梗塞治療法の開発を目指した。【方法】ミニブタは、中大脳動脈(中大脳動脈閉塞モデル;MCAO)あるいは前脈絡叢動脈(ラクナ梗塞モデル)を電気凝固した。側脳室壁より脳室下層・上衣層細胞を採取し、EGEやbFGFを加えた無血清培地で浮遊培養を行い増殖きせ、神経細胞塊の形成を試みた。細胞塊をフェリチン(Fe2+)存在下に培養し移植細胞を標識し(MRIと組織標本で細胞の同定のため)、脳内に移植した。ラット内包障害モデルは大脳白質〔内包)へ定位的にエンドセリンを注入し白質梗塞を作成した。同部位に徐放化ゲルによるbFGFの持続投与を行い軸索再生について病理組織学的に検証した。【結果】ミニブタ梗塞モデルでは、標識された細胞は、自己複製能と多分化能をもつ神経細胞塊が得られた。移植細胞がMRIと組織標本で確認できた。移植細胞が、ホスト脳で神経ネットワーク形成やそれに伴い機能改善をもたらしているかについては確認できなかったが、ホーミング(生着の前段階と考えられる)は確認できた。ラットラクナ梗塞モデルでは、bFGF持続投与により軸索の伸長が一部確認できたが、bFGFの副作用のためか脳梗塞巣は対照群に比較して脳浮腫のため大きくなる傾向を示した。【研究意義】神経幹細胞のみの移植ではホスト脳での増殖や神経ネットワーク形成には不十分である。ドラックデリバリーシステムによる栄養因子持続投与の必要性を実感した。ただし、栄養因子の種類や組み合わせさらに至適濃度は今後詳細に検討する必要性がある。神経幹細胞のみでなく血管内皮細胞などと組み合わせたnuerovasucular signallingを考慮した治療法も期待が持てる。
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