研究課題
基盤研究(B)
本研究では、NF1及びNF2の病態発症メカニズム解明と治療ターゲットの開発を目的として、それぞれの原因遺伝子産物;NF1蛋白(Neurofibromin),及びNF2蛋白(Merlin)の細胞内機能に関連する特異的なシグナル分子群を融合プロテオミクスおよび細胞生物学的手法を用いて詳細に解析した。モデル細胞として用いたPC12細胞において、siRNAによるNF遺伝子発現の抑制は、NGFによる神経突起伸長を経時的に阻害し、細胞骨格系の制御異常、運動能の亢進および腫瘍塊様の形態変化を誘導した。プロテオミクスによる定量的発現変動解析の結果、約1600種のPC12細胞内発現蛋白質を同定し、さらに72種の神経系細胞分化と細胞死抑制に関わる新規機能分子群の同定に成功した。また、neurofibromin、およびMerlinの神経系細胞内結合蛋白質の解析を行い、neurofibrominにおいては58種類の、Merlinにおいては68種類の、ニューロン分化制御因子群、リン酸化酵素制御因子群、細胞骨格系制御等に関わる分子群を同定した。特にNF結合蛋白質群は、RAS-Rho-RhoK-CRMP2およびRAS-MAPK-CDK5-GSK3-b-CRMP2シグナルの制御を行うことによって神経系細胞の分化制御に関わっていることを明らかにした。これらの責任分子群を介するシグナル調節がNFにおいて障害された神経系細胞の機能改善に有用である可能性を提唱した
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