研究課題
本研究の目的は、ヒアルロン酸・MPCポリマーを用いた関節機能改善剤を実用化するための基礎検討を完成させることである。今年度は、以下の検討を行った。1.分子構造の規格化昨年度までに得られた知見に基づき水溶性MPCポリマーの分子組成、分子量を制御パラメーターとし、その分子構造の規格化を行った。また、体外排泄時の評価に使用する蛍光性モノマーを組み込んだポリマーを合成した。これらの検討の結果、MPCポリマーの組成、分子量を制御することに成功した。さらに体外排泄の閾値とされる分子量のポリマーから形成する関節機能改善剤の創製に成功し、ラット静脈内投与後に体外排泄性を確認することができた。2.摩擦試験による混合比率についての検討昨年度までの検討に基づき、MPCポリマー溶液、ヒアルロン酸溶液、MPC-ヒアルロン酸共重合体水溶液それぞれについて、至適な水溶液濃度を検討した。さらにこれらの結果から条件の絞り込みを行い、Pin-on-flat型の摩擦試験に用い、経時的な静摩擦係数、動摩擦係数の変化から至適な混合比率を計測した。さらに各混合溶液中を回収して分子量計測を行い、分子量の経時的な変化と、関節保護・摩擦抑制効果の維持・増強機構の関連についても検討した。3.マウス変形性関節症(OA)モデルを用いた関節機能改善効果の検討昨年度までに確立したマウス変形性関節症(OA)のモデルを用い、上記1、2で至適条件を検討した関節機能改善剤の効果を検討した。マウス膝関節の靭帯の切離と、半月板切除を組み合わせて重傷度の異なる変形性膝関節症を再現し、各々に関節機能改善剤を投与した。画像評価、組織学的検討等により、関節機能改善剤としての有効性の確認を行った。以上の結果は、生体適合性ポリマーによる高潤滑型関節機能改善剤実用化へ向けた基礎検討を推進するための確信を得るに十分な結果であった。
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