研究課題/領域番号 |
19390391
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
中川 泰彰 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究, 臨床研究企画運営部, 研究員 (90293860)
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研究分担者 |
小林 雅彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (20378623)
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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キーワード | 軟骨 / 再生 / MRI / 超音波 / 評価 |
研究概要 |
平成21年度では、京都医療センター・臨床研究センターでは、平成20年度に行った骨軟骨移植術時及び術後1年の再鏡視時に超音波による関節軟骨の力学的特性評価を症例数を増やし、昨年獲得した術後1年時の移植プラグの軟骨硬度は周辺正常部と同等であることやプラグ間の隙間は周辺正常部50%の硬さ、ドナー部はそれの60%の硬さであることを確かなものにし、厚さについては、移植プラグは周辺正常部よりやや薄いことを明らかにしてきた。また、京都大学医学研究科では、昨年確立した条件で引き続き、骨軟骨移植術後の遅延相軟骨造影MRIを行い、平均年齢61歳で、術後経過観察期間平均32ヶ月の8例を調査した。この8例は術前と比べ、臨床症状は有意に改善し、遅延相軟骨造影MRIにおいても、移植プラグのT1値は周辺正常部と同等であった。この結果を見ると、MRIでも移植軟骨はプラグ周辺部の軟骨と同等のプロテオグリカン濃度を有し、術後約3年の中期の経過においても、移植プラグ軟骨の生化学的性質は保たれていた。すなわち、超音波では軟骨のコラーゲンの変化をとらえ、遅延相造影軟骨MRIではプロテオグリカンの変化をとらえているので、骨軟骨移植術後の移植軟骨はコラーゲンの点でも、プロテオグリカンの点でも周辺正常部と同等の物ができていることがわかってきた。また膝に愁訴を持たない正常者の軟骨とも同等のデータが獲得できており、骨軟骨移植術後の移植プラグ軟骨はコラーゲンやプロテオグリカンの点で正常の軟骨と同等なものができていると考えられた。
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