3次元MRI、CTを用いて人体の関節運動を非侵襲的に骨モデンレの「3次元動画」として表現するシステムを開発しさまざまな分野に応用した。また、靭帯モデル作成プログラム開発した。尺骨手根骨関節の靭帯のキネマティクスはこれまでほとんど解明されていなかったが、世界で初めて我々の手法を用いることによって解明できた。近年、TFCC尺側断裂において尺骨小窩付着部での断裂が本質的な病態であることがわかってきた。その受傷機転としては前腕回内外強制よる橈尺靭帯の断裂が考えられてきたが、手関節伸展によって尺骨手根靭帯の緊張が高まるという今回の結果から手関節過伸展も受傷機転の要因のひとつであることが示唆された。さらに、これらの知見に基づいた新しい手術もおこなっており、研究の有効性を臨床的に検証した。また、舟状骨偽関節のキネマティクスの3次元的解析に成功した。骨折線が舟状骨尺背側突起の遠位を通る不安定型では骨片問でブックオープン様の異常な動きを示した。近位を通る安定型では骨片問の動きは小さかった。これにより、タイプごとの手術選択が可能となった。 筋肉モデル作成プログラム開発についても、コンピューターグラフィックの専門家と共同作業でソフトウエアを肘関節周辺のモデルを開発した。
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