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2008 年度 実績報告書

血清中顆粒球マクロファージコロニー刺激因子自己抗体の同定及びその生理学的役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19390403
研究機関東京大学

研究代表者

山田 芳嗣  東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30166748)

研究分担者 張 京浩  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50302708)
北村 享之  東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (50302609)
内田寛治 カンジ  東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (60302709)
キーワードGM-CSF / 自己抗体 / 好中球機能 / 急性肺傷害 / SIRS / サイトカイン
研究概要

昨年度本研究課題の成果をさらに深めるべく、健常者血清およびヒト免疫グロブリン製剤か分離した抗GM-CSF自己抗体を用いてその生化学的性質を検討した。その抗体は、GM-CSF依存性に増殖する細胞株であるTF-1細胞のGM-CSF存在下での増殖を容量依存性に抑制した。また白血球をGM-CSFで刺激したときに細胞内でおこるSignal transducer and activator of transcription(STAT)-5のリン酸化を容量依存性に抑制した。また細胞表面の接着因子CD11bの発現量上昇反応も容量依存性に抑制したことから、強力なGM-CSFの活性中和作用を持っていることが示された。72例の健常者血清を用いて抗体濃度を、精製した抗GM-CSF抗体を標準として定量したところ、年齢、性別によらず健常者にも低濃度存在した。抗GM-CSF自己抗体が高濃度存在する肺胞蛋白症患者血清も含めて検討した結果、抗GM-CSF抗体は濃度依存性に好中球機能を制御している可能性があると考えられた。特に血清濃度5μg/ml以上で、好中球のGM-CSF10ng/ml刺激によるCD11bの細胞表面発現量上昇反応(CD11b stimulation index)はほぼ完全に抑制され、10.4から19μg/mlの濃度に達すると肺胞蛋白症類似の肺の病変を示す可能性が示唆された。これらの内容をまとめて論文投稿し、Blood(American journal of hematology)に採用された。
また食道癌に対して食道亜全摘、胃管再建術を施行した患者血液を用いた研究で、CD11b stimulation indexが術中経過で低下し、GM-CSFに対する反応性が鈍くなっていることが疑われた。術後回復との関連性などについてさらに調査中である。
同時に測定した血清中抗GM-CSF抗体レベルは大きく変化しておらず、上記現象との直接的な関与は未だ認められていない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Graulocyte/Macrophage Co1Qhy-Stimulating Factor Autoantibodies and Myeloid Cell Immune Functions in Healthy Subjects.2009

    • 著者名/発表者名
      Uchida K
    • 雑誌名

      Blood 113(in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] ワークショップ3「基礎:炎症細胞の分離と機能的解析」「好中球」2008

    • 著者名/発表者名
      内田寛治
    • 学会等名
      日本アレルギー学会秋季学術集会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      2008-11-27
  • [学会発表] フローサイトメトリー法による簡易好中球活性化指標測定法の開発2008

    • 著者名/発表者名
      内田寛治、張京浩、山田芳嗣
    • 学会等名
      日本麻酔科学会学術集会
    • 発表場所
      横浜市、神奈川県
    • 年月日
      2008-06-12
  • [学会発表] A Standardized, Serum-Based ApProach For Diagnosing PAP2008

    • 著者名/発表者名
      内田寛治
    • 学会等名
      Anlerican Thoracic Society International Conference
    • 発表場所
      カナダ、トロント
    • 年月日
      2008-05-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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