研究課題/領域番号 |
19390411
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
羽渕 友則 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00293861)
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研究分担者 |
鈴木 聡 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (10311565)
中村 彰 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20155815)
大山 力 弘前大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80282135)
土谷 順彦 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (70282176)
湯浅 健 財団法人癌研究会, 附属病院化学療法科, 医長 (00314162)
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キーワード | 前立腺癌 / マイクロアレイ / 高脂肪食 / IGF-1 / 発現解析 / LNCaP / Fn-14 / TWEAK |
研究概要 |
本研究の目的は:(1)高脂肪食と前立腺癌の関係を分子レベルで解明し、その克服手段の基盤となる知見を得ること。(2)高脂肪食と前立腺癌進展の分子標的を見出し、治療だけでなく広く予防戦略に繋がる知見を得ること、である。 【1】高脂肪食マウスXenograft妥当性検証:LNCaP前立腺細胞株を用いてヌードマウス皮下でのxenograftのサイズが低脂肪食と比べて高脂肪食により増大することを確認した。【2】高脂肪食と低脂肪食下でのxenograftにおける遺伝子発現解析:低脂肪食、高脂肪食群、各々のLNCaP xenograftから、RNAを抽出、mRNAを精製、それぞれのmRNAの網羅的発現解析をマイクロアレイで行い、発現に差がある候補遺伝子を検出した。さらに、RT-PCR、リアルタイムRT-PCR、xenograftからの蛋白レベルの解析として、ウェスタンブロット、免疫染色などでマイクロアレイの結果を検証した。その結果、IGF-1R、TWEAKR、LPL(lipoprotein)などが、高脂肪食進展にかかわる候補遺伝子として挙げられることが示唆された。とくに今回、標的分子としてTWEAK-Fn14シグナル伝達経路を解析。TWEAK-Fn14シグナルは、内分泌療法耐性前立腺癌のPC-3やDU145で高発現していること。Fn14のsiRNAによるダウンで浸潤能や遊走が阻止されること、rTWEAKの投与で浸潤や遊走が更新されることを示した。またこの浸潤能の変化にはMMP-9活性が関与していることも示した。【3】実際のヒト前立腺(癌)組織での検証:現在、生検標本、全摘除標本などの組織より解析遺伝子の結果と実際の生物学的意義を検討するためtissue bankを蓄積する。前述の【2】で挙がった候補遺伝子について、ウエスタンブロットや免疫染色による評価を行っている。現在、候補遺伝子のTWEAKRの機能解析を行っており、前立腺癌細胞での発現解析、発現抑制実験、強制発現などによる挙動の変化、臨床検体を用いた発現の意義を検討した。TWEAK-Fn14シグナル伝達経路に関してば、Fn14陽性前立腺癌では根治術後のPSA再発が有意に高いことを示した。
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