研究課題/領域番号 |
19390418
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
橋谷 光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (10315905)
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研究分担者 |
鈴木 光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80037548)
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00381830)
郡 健二郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30122047)
曽爾 彊 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50056925)
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キーワード | 泌尿生殖器系 / 間質細胞 / 平滑筋 / 自動運動 / Kit受容体 / 細胞内カルシウム / 活動電位 / ミトコンドリア |
研究概要 |
1.マウス腎盂において電子顕微鏡により、定型平滑筋、非定型平滑筋および間質細胞を細胞内微細構造の特徴から同定した。しかしKit抗体を用いた免疫蛍光染色は用いる抗体により結果が一定せず、またKit陽性細胞と緩徐な自発一過性細胞内カルシウム(Ca)濃度上昇を示す細胞は一致しなかった。さらにKit受容体の発現に必要な遺伝子を欠損したマウスにおいても、正常型マウスと同様の細胞内Ca濃度上昇の発生と伝播が観察された事から、マウス腎盂の自動運動の発生においてKit受容体およびKit陽性間質細胞は不可欠ではないと考えられた。 2.定型平滑筋においてカプサイシン(CAP)による感覚神経刺激は、自発活動電位および細胞内Ca濃度上昇に対して一過性の興奮に引き続き持続性の抑制を引き起こしたが、振幅には影響せず頻度のみを低下させた。この反応はカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)阻害薬により抑制され、一方外因性のCGRP、フォルスコリンおよび膜透過型サイクリックAMPはCAP類似反応を生じた。これらの反応はATP感受性Kチャネル阻害薬(グリベンクラミド)により部分的にのみ抑制された。また定型平滑筋の自発活動はミトコンドリア機能阻害薬により、やはり頻度が選択的に抑制されたので、CGRPによる自発活動制御にミトコンドリア機能阻害が関与している事が示唆された。 3.間質細胞の増殖と分化に対してKit受容体阻害を介した抑制作用を有するイマチニブメシル酸塩(グリベック)は、分化した間質細胞の機能には選択的な抑制作用を持たず、非選択的な細胞内Ca濃度上昇抑制作用を有する事を示した。
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