研究課題/領域番号 |
19390440
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
望月 學 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10010464)
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研究分担者 |
大野 京子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30262174)
杉田 直 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10299456)
岩永 洋一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40418661)
菅本 良治 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (20334419)
佐々木 秀次 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (80302850)
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キーワード | 虹彩色素上皮細胞 / 毛様体色素上皮細胞 / 網膜色素上皮細胞 / 房水 / TGF-β / TSP-1 / 抑制性Tリンパ球 / B7-2 |
研究概要 |
眼の免疫特権の分子機構を解明する目的で、色素上皮細胞の免疫調節機能に焦点を当てて以下の研究をおこなった。 マウスの虹彩色素上皮細胞(IPE)の活性化T細胞に対する作用の解析:IPEか活性化CD4^+Tリンパ球の増殖、ならびにサイトカイン産生を抑制した。更に、IPEが接触したCD8^+Tリンパ球は抑制性T細胞(regulatory T, Treg)に変換され、他の活性Tリンパ球の増殖やサイトカイン産生を抑制することが明らかにされた。このようなIPEによるTリンパ球の抑制やTregの誘導は、IPEとTリンパ球とが直接接触するときには生じるが、膜で両者を分離すると生じない。このことから、可溶性因子でなく細胞接触が必要である。その細胞接触に関与する分子はIPEではB7-2、T細胞ではCTLA4であること、さらに、TGF-βとTGF-β受容体(TGF-βR)を介したシグナル伝達が必要であることが判明した。また、IPEの発現遺伝子を網羅的にDNAチップで解析したところ、thrombospondin-1 (TSP-1)が強く発現すること、TSP-1が潜在型TGFβを活性型TGFβに変える重要な働きをする分子であることが明らかとなった。 IPEで誘導されたTregのphenotypeはCD8^+CD25^+CTLA-4^+B7-2^+TGFβRII+Foxp3^+であった。 一方、網膜色素上皮細胞(RPE)は、IPEと対照的に、可溶性因子の介在により活性化Tリンパ球の細胞増殖とサイトカイン産生を抑制する。その可溶性因子として重要なものはRPEの可溶性TGFβ、Tリンパ球のTGFβRであり、TSP-1が潜在型TGFβを活性型TGFβに変換する作用があることが明らかにされた。
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