研究課題
加齢黄斑変性についてのゲノム解析では、これまで報告されているCFH遺伝子やARMS2遺伝子の多型との相関が、ポリープ状網脈絡膜症や網膜血管腫状増殖(RAP)においても同様に強くみられることを確認した。また光線力学療法後2年の経過とCFH遺伝子・HTRA1遺伝子多型との関連の有無も検討し報告した。病的近視については、先行論文において報告されたCOL1A1遺伝子やCOL2A1遺伝子多型と病的近視との関連が、我々の有する病的近視日本人サンプルにおいては認められなかったことを報告した。末梢血細胞解析では老化骨髄細胞と若年骨髄細胞の機能の違いを検討した。脈絡膜血管新生膜形成の状態を考慮し、細胞を血管新生刺激条件下培養し、その刺激による細胞の反応をサイトカイン分泌の変化で比較した。PCRアレイで発現を検討したところ、多くのサイトカインで変化が見られたが、特にPEDF(pigment epithelial derived factor)の発現が加齢骨髄由来細胞で低下していた。PEDFは血管抑制に働くとされている重要なサイトカインであり、これまでの加齢骨髄で脈絡膜血管新生膜形成の抑制能が低下していることを説明できる結果である。他にも因子があると考えられ現在検索中である。これらの結果は加齢黄斑変性の病態に関する新知見であり、今後の診療に取り入れるべくさらに検討を加えていく予定である。
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