研究課題
ホーソン効果とは、人間が観察きれていることにともなう効果のことをいう。この研究では、蘇生にかかわる"人間"に視点をおいでいる。平成20年度においては、大阪で展開している病院外心停止の大規模なpopulation based studyの記録集計のデータをさらに、蘇生にかかわる人間の視点で、心停止になってからだけでなく、それに至るまでの情報にも視点を広げて解析を行った。その結果、平成19年度までの心停止後のデータ解析だけでなく、心停止に至る前の前駆症状に関するデータ解析ができた。ただし、この検討は、調査の補助を行う者の雇用の関係で、一部、平成21年度までかかり、その成果は、平成21年度のAmerican Heart Association(アメリカ心臓協会)のScientific Sessionで、Prodromal Symptoms of Out-of-hospital Cardiac Arrest : Report From a Large-scaled Population-based Studyと題して発表できた。その内容は、従来、病院外心停止に至る人は、まさに突然に、心停止に至ると考えられていたものが、実際には、前駆症状があるものが約60%にもおよび、そのうちおよそ40%が1時間も前から症状があるというものである。また、その症状も、胸痛に限られるのではなく多様であり、むしろ呼吸困難の症状の方が頻度が高かった。これは米国で記者会見されるなどインパクトがあった。解析の一部と発表は、このように平成21年度に及んだが成果をアピールすることができた。また、大阪での歩みと蘇生の成績の向上をまとめた論文をCirculation誌に、蘇生をおこなう人間に関して、その意欲や訓練の影響をまとめた論文をResuscitationに掲載できた。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)
Circulation 119
ページ: 728-34
Resuscitation 80
ページ: 359-64
European Heart Journal 26
ページ: 492-496