研究課題
ホーソン効果とは、人間が観察されていることにともなう効果のことをいう。この研究でば、蘇生にかかわる"人間"に視点をおいている。平成21年度においては、大阪で展開している病院外心停止の大規模なpopulation based studyの記録集計のデータ解析を発展させ、心原性だけでなく気道異物による窒息の検討までおよんだ。また、大阪でのデータだけでなく、全国ウツタインのデータ解析も行い、蘇生にかかわる人間として、一般市民の手による蘇生、特に一般市民の手による除細動の成績の検証を行った。その結果は、一般市民により除細動が行われた症例の転帰は良好で、救急隊員の手によって除細動された症例の成績のおよそ2倍に及ぶ。これについて、多変量解析を用いて検討した結果、その理由は、唯一、時間的因子であり、一般市民による除細動では、虚脱から3分程度で電気ショックが加えられていることが明らかとなった。この成果は、医学系で最もインパクトの高いN Engl J Medに掲載され、反響を呼んだ。メディアでも取り上げられ、朝日、毎日、読売の新聞で取り上げられたほか、NHK、関西テレビといったテレビでもニュースが放映された。わが国において、AEDの設置が急速に近年、推進されたことによる成果も検証されており、わが国から発信された特筆すべき知見として報告される。その他、蘇生に関する地域差に関する報告もAmerican Heart Associationにて行った。また、性別による差異についても論文として報告した。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)
N Engl J Med 362
ページ: 994-1004
European Heart Journal (in print)
救急集中治療医学レビュー(総合医学社)
ページ: 361(3-6)