研究課題
ホーソン効果とは、人が特別な関心や注意の対象となることにより、自分の行動を変化させるという人間がもっている性質のことをいう。この研究は、蘇生を行う"人間"に視点をおいた研究である。研究は、(1)病院外心停止に関する大阪での検討によるものと、これをもとに(2)全国の病院外心停止の記録を解析したもの、さらには、このような大規模データではなく、(3)個々の症例に関するものという3つの視点から実施して、以下のような成果を得た。(1)に関しては、男女の性差に関する検討をおこないEur Heart Jに発表した。男女差は、重要であり、特に生殖年齢にある女性は、病院外心停止の頻度も死亡率も低い。また、病院外心停止の症例がどのような医療機関に搬送されたかによってどのように転帰が異なるかについて、Resuscitationに発表した。今後、cardiac arrest center方式の救急システムが合理できるかどうかを示唆する重要な検討となった。また、(2)に関しては、非心原性の病院外心停止に関して人工呼吸をおこなう蘇生がどの程度効果があるかを検討して、Circulationに発表した。さらに、ある程度、時間が心停止後経過してしまった病院外心停止に対する人工呼吸の効果についてもResuscitationに発表した。(3)に関しては、"集う蘇生の心"のホームページを発展させ、蘇生活動を担う人間のリレーや、蘇生された方に対するインタビューの動画の充実を図った。また、蘇生を行う際の疲労と蘇生の質の問題に関しても検討を行った。以上のような成果が得られて、最終年として、国際雑誌への論文掲載が数多くなされることになった。また、研究の全体像とさらなる展望に関して、招待講演で、日本蘇生学会等で発表も行った。
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https://www.med.kindai.ac.jp/er/