研究課題/領域番号 |
19390459
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60278687)
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研究分担者 |
杉本 壽 大阪大学, 名誉教授 (90127241)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70301265)
田畸 修 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346221)
松本 直也 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50359808)
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キーワード | 蘇生後低酸素脳症 / 脳酸素飽和度 / 神経学的予後 / 心肺蘇生 / 近赤外線 |
研究概要 |
平成21年度は大阪府立急性期・総合医療センターと共同研究を行い、無侵襲脳内酸素飽和度モニター(Near infrared spectroscopy、以下NIRS)を用いて、心呼吸停止患者における脳内酸素飽和度の変化を、胸骨圧迫心臓マッサージ中と自己心拍再開後48時間あるいは胸骨圧迫を中止するまで、60例で連続測定した。その結果、(1)従来の胸骨圧迫に重点を置いた心肺蘇生法では脳内酸素飽和度(regionnal oxygen saturation、以下rSO_2)を良好に保つことができない症例が少なからず存在すること、(2)心肺停止患者において、NIRSで得られたrSO_2値は神経学的予後と関連すること、が明らかになった。この研究結果は現在英文雑誌に投稿中であり、2010年10月の日本救急医学会総会及び11月の米国American Heart Association総会で発表する予定である。 我々は、平成15~17年度の文部科学省基盤研究で、砂ネズミを用いて、5分虚血群及び15分虚血群と30分虚血群とでは脳虚血再灌流後の脳血流、動静脈血管径、脳酸素消費量は全く異なる変化を示すこと、長時間の虚血再潅流では脳温と脳血流の不均衡な回復のため脳が傷害されて神経学的予後に影響を与えていることを明らかにした(J Trauma, 2007)。平成21年度は、致命的である虚血時間(生存率が急激に低下)が20分であること、低体温の最適温度は30℃であること、低体温の導入時期は虚血直後(ゼロ分)で最も成績が良いこと、を明らかにした。この研究結果も現在英文雑誌に投稿中であり、2010年10月の日本救急医学会総会及び11月の米国American Heart Association総会で発表する予定である。
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