研究課題/領域番号 |
19390473
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 理行 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (60294112)
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研究分担者 |
米田 俊之 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (80142313)
波多 賢二 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (80444496)
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キーワード | 骨芽細胞 / インディアンヘッジホッグ / Gli / Runx2 |
研究概要 |
骨形成を担う骨芽細胞は、未分化間葉系幹細胞を起源とし、その分化、増殖、ならびに機能は、さまざまなホルモンやサイトカインにより緻密に調節されている。これらのサイトカインの中でも、ヘッジホッグファミリーに属するインディアンヘッジホッグ(lhh)の骨形成における役割の重要性が注目されている。未分化間葉系細胞に、lhhを作用させると、転写因子Gli2およびGli3が活性化されること、またGli1の発現が誘導されることが見出された。そこでGliファミリータンパクの役割を検討した結果、Gli2の過剰発現は、骨芽細胞を促進させる一方で、Gli3の過剰発現は、骨芽細胞の分化を抑制させることが明らかとなった。Gli2の分子作用メカニズムを検討した結果、Gli2は、Runx2の発現を誘導し、さらにRunx2の転写活性を促進させ、Runx2による骨芽細胞分化機能を増強させることが示された。一方、Runx2遺伝子欠損マウスより採取した未分化間葉系細胞にlhhまたは、Gli2を作用させても、骨芽細胞分化は、誘導されなかった。さらに免疫共沈降法実験の結果、Gli2とRunx2が、物理的に結合することが明らかとなった。したがってlhhは、Gli2を活性させ、活性化されたGli2は、Runx2の機能と発現を制御することにより、骨芽細胞分化を誘導していると示唆された。以上の研究結果より、lhhは、Gli2とGli3を巧みに調節しながら、未分化間葉系細胞から骨芽細胞への分化コントロールしていることが明らかとなった。
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