1.lhh誘導性骨芽細胞分化に対するユビキチン・プロテアソーム系の関与 未分化間葉系幹細胞C3H10T1/2において、Gli2およびGli3は、恒常的に発現していることが確認された。一方、Gli1は、非刺激のC3H10T1/2細胞においては発現していないが、lhh刺激により、その発現が著明に誘導されることが示された。そこで次に、これらGliファミリー分子タンパク質の安定性について検討を加えた。Gli3は、SCF-βTrCP1複合体によりユビキチン化され、ドミナントネガティブ型Gli3に切断された。SCF-βTrCP1複合体によるGli2の切断は認められたが、その作用は、Gli3に対するものより小さいことが観察された。したがって、Gli2とGli3が相反する効果を発揮するメカニズムとして、SCF-βTrCP1複合体によるドミナントネガティブ型への切断効果の差異が深く関与している可能性が示唆された。さらに興味あることに、Gli1の発現誘導にはGli2が関与する幽与すること、Gli1は、SCF-βTrCP1複合体により殆んど切断されないことが見出された。 2.lhhシグナルとMsx2のクロストーク既に研究代表者らは、Msx2が骨形成に深く関与していることを明らかにしている。その作用メカニズムを検討したところ、Msx2は、lhhの発現を誘導することが見出された。さらに興味深いことに、Msx2による骨形成促進作用は、ヘッジホッグ阻害剤、シクロパミンにより劇的に阻害されることを示した。したがって、Msx2は、lhhの誘導を介して、骨形成機能を発揮していると示唆された。
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