骨格原基細胞凝集の制御因子を同定することを目的として、骨格原基の細胞凝集形成に関わる分子の包括的機能解析法を確立し、制御因子の同定と機能解析を行っている。前年度までの研究で、1)HiCEP法で骨格原基細胞凝集部位に発現している遺伝子群を同定し、2)ホールマウント遺伝子発現解析法により、包括的な発現解析を行い、3)機能が不明と思われる分子群について包括的な機能解析を行うためのシステムを構築した。すなわち、CAGプロモーターをもち、マルチクローニングサイトの下流にIRES-GFPカセットを組み込んだオリジナルベクターを構築しGateway systemでアデノウイルスを作成した。今年度はそのベクターで幾つかの分子の機能を解析した。アデノウイルスの作成はすべての分子で成功したわけではなく、幾つかの分子では非常に困難であったため、それらはレトロウィルスベクターpMYs vectorで、ウイルスを作成した。レトロウイルス、siRNAを用いた実験で骨格系細胞の分化初期に発現するNLKが、初期における分化に対して抑制的に働くことを見いだした。また別の転写因子はアデノウイルスの作成を行いマウス胎生10日齢、11日齢的肢芽間葉系細胞に感染させたところ、骨格原基の細胞凝集形成を有意に促進した。引き続いてそれらのvivoでの機能を解析している。
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