研究概要 |
1.高速応答X線検出器(CdTe)を用いたパノラマX線撮影装置による画像形成原理は連携研究者の法政大学・尾川浩一氏との共同研究により説明され、学術雑誌に受理された。顎骨のアーチに対して直交する方向からX線を投影する画像を作成する方法として被写体の位置を後方約20mmとし、前方部を画像修正する方法がほぼ確立し、すでにボランティアを対象とする撮影を開始し、臨床的に適した画像を取得している。 2. TACTを改変したVT (Volume Tomography)による断層画像の評価について、屍体顎骨を研究協力者のイエテボリ大学のグループと行った結果、従来のCTに比較して金属アーチファクトの減少した画像を取得できて、インプラント周囲炎による骨吸収の評価に一定の価値を見出した。同時に本法をう蝕や歯周組織周囲炎の評価も行っている。 3. CT画像の線量低減効果の画質評価は臨床例の収集を中心として行っている。その定量評価は今後であるが、定性的には低減の可能性が評価されている。 4.臓器組織の線量評価に用いる新開発のOSL線量計について、その線質依存性と方向依存性について現在、連携研究者の首都大学・加藤二久氏との共同研究が進行中である。予備実験結果については各種学会で発表したが、線質については一定の校正定数を決定し、また方向依存性が低いことが判明した。したがって現在はCT,コーンビームCT、VT、CdTe検出器付パノラマ装置などを対象とした吸収線量の測定も同時に続行中である。
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