1. 高速応答X線検出器(CdTe)を用いたパノラマX線撮影装置について、tomosymthesisによる再構成画像原理、および臨床応用を前提としたファントムを対象とする画像評価について、一定の成果が得られたので学術雑誌に投稿し、いずれも受理された。その後、ボランティアを対象とした臨床研究を開始した。患者の位置づけを配慮した撮影法では歯の重なりの少ない画像が得られ、診断学的な価値が高まった。その成果は次年度に学会で発表し、その評価を受けることとした。 2. Volume tomography (VT)装置による断層画像で、インプラントのフィックスチャ周囲の骨評価に有効であるという前提で歯科用コーンビームCTの画像との比較において評価をしてきた。本法は金属アーチファクトが少ないものの、解像度という点ではCBCTに劣り、現時点では極めて有効という結果は得られていない。継続して評価を行っている。 3. インプラント術前検査におけるCT画像およびCBCT画像について、その線量低減効果を評価した論文が受理された。その結果、日常的な検査での線量の半分以下でも診断学的な価値が低下しないことが判明した。今後、患者の撮影の現場で、その成果をどのように反映するかが課題となる。 4. 臓器線量の測定に用いる線量計の開発が引き続き進んでいる。線質依存性や方向依存性について、すでに学会発表を済ませた。また診断参考レベル(DRL)の決定に本線量計を用いる実験が進められた。歯科用CBCTは広く普及しはじめたので、インプラント検査のためのDRLを決めるために本線量計の有効性が評価された。
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