研究課題/領域番号 |
19390488
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横山 敦郎 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20210627)
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研究分担者 |
赤坂 司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00360917)
佐藤 義倫 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (30374995)
山本 悟 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10344524)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (90239765)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
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キーワード | カーボンナノチューブ / コラーゲン / ポリ乳酸 / 三次元スキャホールド / 表面修飾 / 骨芽細胞 / 生体適合性 / 炎症反応 |
研究概要 |
本年度は、生体材料および口腔組織再建材料としてのカーボンナノチューブ(CNTs)の評価を行うとともにCNTsを用いた細胞培養用三次元スキャホールドの開発を行った。 多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)をラット口蓋部の粘膜下および骨膜下に埋入し、組織学的に検索した結果、皮下組織へ埋入した場合と同様に、壊死や変性などの強い炎症反応は起こらず、マクロファージにより貪食されるなど比較的軽微な炎症反応を呈することが示された。 MWVNTsを界面活性剤溶液に分散し、コラーゲンスポンジを浸漬することにより三次元スキャホールドを作製した。SEMで観察するとともに、マウス頭蓋冠由来骨芽細胞用細胞であるMC3T3E1細胞を培養し、細胞増殖およびアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を測定した。MWCNTsは、ほぼ均一にコラーゲンスポンジの表面に固着しており、MWCNTsで表面修飾した三次元のスキャホールドを作製することが可能であった。MC3T3E1細胞を、このスキャホールド上で培養すると、コラーゲンスポンジのみでは三次元の細孔の内部には細胞は観察されなかったが、MWCNTsをコラーゲンに固着させることにより細孔内部まで細胞が増殖していることが観察された。MWCNTsで表面修飾したスキャホールド上で培養したほうが、DNA量は多く、細胞の増殖が促進されることが示された。ALP活性については、DNA量で除した値はほぼ同様であり、MC3T3E1細胞の骨形成活性には影響を与えないことが示唆された。ポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体からなる三次元構造にMWCNTsで処理したところ、コラーゲンと同様に表面に修飾されることが示された。
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