研究課題/領域番号 |
19390489
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
玉澤 佳純 東北大学, 病院, 准教授 (10124603)
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研究分担者 |
玉澤 かほる 東北大学, 病院, 講師 (00124602)
岩松 正明 東北大学, 病院, 助教 (30343031)
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 客員教授 (80091768)
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キーワード | 感染対策 / 歯科用ユニット / 給水管 / バイオフィルム / 細菌 / 着脱式タンク |
研究概要 |
本研究の目的は、歯科用ユニットの水路系の汚染防止対策として、給水管を排除した歯科用ユニットを開発することにある。本年度の研究計画は、昨年度開発した着脱式給水タンクを内蔵したドクターユニットを使用して、タービンハンドピース、エンジンハンドピース、およびスリーウェイシリンジを稼働させ、そこから排出される水の水質検査、特に細菌学的検査(従属栄養細菌数)を実施することにある。 ADA(アメリカ歯科医師会)は、歯科用ユニットの水質基準として200CFU/mlを提唱した。一方、CDC(アメリカ疾病予防センター)は、500CFU/mlを提唱し、これらの基準値をクリアーすることが、現在の歯科界に科せられた課題である。そこで、我々は、歯科用ユニット内に存在する給水管の長さが、約6~7mあることに着目して、これらの給水管を26cmまでに短縮し、ほぼ給水管を撤去した着脱式タンク内蔵型歯科用ユニットを開発した。 新型の着脱式タンク内蔵型歯科用ユニットの完成直後、6ヵ月後、および1年後にタービンハンドピース、エンジンハンドピース、およびスリーウェイシリンジを稼働させて、インスツルメントの先端部から排出される水を採取し、従属栄養細菌を検査した。従属栄養細菌は、R2A寒天培地を使用して、20℃、7日間培養して、細菌数を計測した。 その結果、いずれの場合も、従属栄養細菌数は2~80CFU/ml以下となり、世界的な歯科用ユニット水の基準であるADAの基準値をクリアーできた。この結果は、歯科用ユニット内の給水管の長さが、通常6~7mあるのに対し、開発した新型ユニットでは26cmと短縮され、ほぼ給水管が撤去されたことによるものと推察している。
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