研究概要 |
本研究においては,自立した生活を送っている一般の高齢者を中心に,大学病院外来患者,要介護高齢者など,様々な健康状態や生活環境下にある高齢者を対象としたアンケート調査や口腔機能検査を行い,咀嚼能力低下の要因解析と咀嚼能力回復のアウトカムについての大規模調査研究を予定している. まず,対象者に対して,咀嚼能力をはじめ,多岐にわたる項目のデータを収集したのち,咬合支持,咬合力,唾液分泌に加え,口腔の感覚機能などを説明変数に用いて,咀嚼能力を目的変数とした多変量解析を行う. また咀嚼能力回復のアウトカムを明らかにするため,口腔機能の客観評価である咀嚼能力が,消化器系疾患や高血圧,糖尿病,肥満,全身の健康状態の自己評価,QOLなどとどのような関連があるかについて,多変量解析を用いて分析する.さらに補綴治療の介入による咀嚼機能の回復によって上記のアウトカムが向上するか否かについて,大学病院の外来患者を対象とした縦断研究によって明らかにする.
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