研究概要 |
インテリジェントゲルおよびbFGFを用いたインテリジェントゲル・bFGF複合体による新たなるGBR法の開発のため,平成19年度インテリジェントゲルキャリアの含水率を95%とする複合体がインプラント周囲の骨再生に有利であることを我々は明らかとした.本年度はbFGFの有効濃度の判定も含め,インプラント周囲骨欠損モデルにおいて検討し,またGBRにより再生された骨におけるインプラント体の負担過重能の評価法についての予備的検討も行なった.本研究では,各濃度に調整したbFGFど早期吸収型インテリジェントゲルを用いるGBRの骨再生能について,in vivoで評価を行ったビーグル成犬の下顎骨無歯顎部頬側に骨欠損を準備し,インプラントのスレッドが露出するよう埋入した.移植材として,(1)早期吸収型インテリジェントゲル(含水率98%)・bFGF(10μg)複合体(2)早吸収型インテリジェントゲル(含水率98%)・bFGF(1μg)複合体(3)インテリジェントゲル(含水率95%)・bFGF(10ug)複合体の3種類を用意し各欠損に充填した.4週および8週後のを非脱灰研磨標本を作成して光顕的観察を行った.観察期間の4週および8週ともに,すべての群において露出したスレジドは再生骨によりさまざまな程度で被覆されていた.特にインテリジェントゲル(含水率95%)・bFGF(10μg)複合体で多くの再生骨が4週および8週ともに観察された,また,ビーグル成犬の下顎骨無歯顎部に埋入したインプラントに静的荷重を4週間および12週間の期間与え,蛍光色素染色を用いることで各期間におけるインプラント周囲の形態学的変化の一端が明らかとなった.このことから,本GBR法により再生した骨でのインプラント周囲骨に荷重をかけた場合の形態学的変化を評価するために試作実験モテルを構築した. 以上の結果より,インテリジェントゲル・bFGF複合体による新しいインプラントGBR法を開発に有用な知見を集積することができた。今後は臨床へ向けてのさらなる展開が期待される.
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