研究課題
成体型幹細胞の分化状態は存在しているニッチェの環境に大きく影響されることはよく知られている。また加齢により骨格筋組織にはトリグリセロール(TG)蓄積がおこることは報告されている。本年度はTGの蓄積がラット骨格筋及ぼす影響を明らかにした。12週齢、雄性Wister系ラットに高脂肪食(HighFatDiet32、日本クレア)またはコントロール食(LowFatDiet、日本クレア)を与えた。高脂肪食給餌開始から1、5、10週後にラットを安楽死させ、ヒラメ筋などの骨格筋を摘出した。骨格筋標本のほぼ中央付近の凍結標本を製作し、Oil Red O染色法を行い、観察した筋線維数に対するTGの蓄積が認められる筋線維数の割合の経時的変化を観察した。ついで、Real-time PCR法を用いてCPT-1β、Insulin receptorなどのエネルギー代謝関連遺伝子mRNA発現量の解析を行った。高脂肪食給餌開始1、5、10週後では、高脂肪食群においてはそれぞれ34%、35%、63%のヒラメ筋線維にTGの蓄積が認められた。これに対してコントロール食群ではそれぞれ22%、18%、14%であり、5、10週後において、コントロール食群と比較して高脂肪食群に有意な増加が認められた(p<0.01)。CPT-1β、Insulin receptor mRNA発現量のみが、高脂肪食群とコントロール食群の間で有意な差が認められた。これ以外の調べたエネルギー代謝関連遺伝子の発現量にコントロール食群と高脂肪食群の間で有意な差は認められなかった。ラットのヒラメ筋におけるエネルギー代謝関連遺伝子の発現量に及ぼすTG蓄積の影響は比較的早期に現れることが明らかになった。またその影響は予想より小さかった。成体型幹細胞の分化状態に及ぼすTGの影響は小さいと思われる。
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