研究課題/領域番号 |
19390503
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
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研究分担者 |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 准教授 (60076057)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 講師 (00152877)
金山 圭一 朝日大学, 歯学部, 助教 (20454275)
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キーワード | 骨誘導 / 多孔体 / 移植・再生 / 炭酸含有アパタイト / 細胞・組織 / 成長因子 / 生体内吸収性 / 破骨細胞 |
研究概要 |
今年度最終年は、焼結操作を経ることなく作製したCAP多孔体の生体内挙動をビーグル犬皮下で検討した。比較のため、従来法の焼結操作で作製したCAP多孔体および市販品のβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)多孔体もビーグル犬皮下に埋入した。期間は3ヶ月及び6ヶ月とし、組織摘出後材料の吸収程度および骨新生の有無をマイクロCTで先ず検討した。3試料について気孔径ならびに気孔率を同一とすることは不可能なため直接的な比較はできなかったが、非焼結CAP多孔体では6ヶ月組織片で検出できなかった例が多く(4/6匹)、そのほとんどは埋植3ヶ月以降に吸収されたものと考えられた。市販β-TCP多孔体を焼結CAP多孔体と比較すると吸収性は優れているようであるが、6ヶ月試片でもほとんど吸収されていないも(1/6匹)のもあり、その吸収性にはむらがあるようであった。新生骨に関しては3ヶ月組織試片で非焼結CAP多孔体内部に材料と異なるX線造影性を示す部位も認められ、現在試料の一部を脱灰し検討中である。本実験で用いた非焼結CAP多孔体は、砂糖と第二リン酸カルシウムニ水塩(DCPD)の圧粉体から砂糖を溶出させながら、同時にDCPDからCAPへの移行を制御する方法で作製したもので、具体的には、DCPDと砂糖の混合体を静水圧処理し圧粉体を得え、その圧粉体を炭酸水素ナトリウム溶液に浸漬し、糖の溶出とDCPDのCAPへの移行を図った。種々検討し、浸漬溶液濃度は1M、浸漬温度は60℃が最適と判断した。この条件下では、浸漬3時間後にDCPDに加えOCPとCAPが検出でき、浸漬12時間後ではCAP単体となることが判明した。炭酸含有量は9%程度で、現段階での気孔径は200~300マイクロmで気孔率は70%程度に達する。砂糖の含有量を3段階に傾斜的に変化させ、気孔率0、40、~70の傾斜多孔体についても骨形成過程検討中である。
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