研究課題/領域番号 |
19390505
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (80084250)
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研究分担者 |
井上 勇介 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 准教授 (20105688)
早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (40172994)
岡畑 恵雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80038017)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (10122780)
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キーワード | DNA / ポリカチオン / 複合体 / スキャフォールド材 / インジェクショ / 再生医療 / 粘性 / 多孔質 |
研究概要 |
ポリカチオン(ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリリジン)とDNAを反応させたところ水不溶性のDNA複合体が得られた。これら複合体の細胞毒性は軽微で組織親和性も良好であり生体材料の素材として有望であることが判明した。しかし、これらの水混和物は流動性を示さず、流動性を付与するにはさらなる検討が必要であることが判明した。一方、前述した方法で合成したDNA/キトサン複合体(凍結乾燥前)は流動性があり、PBSバッファーでリンスすればDNA/キトサン複合体の加工成形は可能である。そこで、この複合体に炭酸アパタイトを加えた炭酸アパタイト含有DNA/キトサン複合体を調製し、PBSバッファーリンス法でデスク試料を作成した。この試料をラット頭骸骨欠損部に埋入したところ新生骨の形成が認められ、DNA/キトサン複合体のインジェクション型スキャフォールド材としての有効性が示唆された。また、ポリアルギニンを主成分としたカチオン性プロタミンをDNAと反応したところ水不溶性のDNA複合体粉体が得られた。この複合体の細胞毒性は軽微で組織親和性も良好であり、ラット皮下中で完全に生分解(約7日間)した。この含水粉末複合体を練和すると半透明のペースト状になり、ルートキャナルシリンジでインジェクトできた。さらに、炭酸アパタイトを加えても粘性は上昇するが流動性を保っており、針径を大きくするとインジェクトできた。従って、この複合体もインジェクション型スキャフォールド材の新素材として有望であることが判明した。
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