研究課題/領域番号 |
19390506
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
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研究分担者 |
山崎 裕 北海道大学, 大学病院, 講師 (90250464)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
犬伏 正幸 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特任講師 (70399830)
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キーワード | 低酸素 / PET / 頭頸部 / 機能画像 / 放射線治療 / 感受性 |
研究概要 |
低酸素状態を呈する癌組織は、化学療法や放射線治療に対して抵抗性を示し、予後も悪いことが報告されている。従って、癌の低酸素状態を非侵襲的に評価する方法は、口腔癌の臨床において治療方針を決定する際に極めて重要である。 1)低酸素状態でRIトレーサを取り込む口腔癌細胞の作製 低酸素状態においてHIF-1がHRE(Hypoxia response element)に結合する感度を高めるために複数のHREを組み込んだベクターを作製する。さらにこのベクターのLUC2レポーターをhNIS(Na/I共輸送タンパク)に置換した後、各種口腔扁平上皮癌細胞株に感染させたのち選択培養を行い、低酸素状態においてはHREおよびhNISが安定発現しRIトレーサを取り込む口腔癌細胞株を作製する。HIF-1αタンパクは通常酸素状態(normoxia)ではターンオーバーが非常に速く不安定であり、5分以内に分解することが知られている。HIF-1αは低酸素状態(hypoxia)では安定し、HIF-1β(Arnt)とサブユニットを構成し、Hypoxia response element(HRE)に結合し活性化することがわかっている。HREの転写活性を評価することは間接的に、癌細胞内における低酸素状態を評価することになる。 現在までに、本研究者は低酸素状態におけるHIF-1の結合に対する感度を高めるために複数のHRE(最大12個)を組み込んだベクターの作製を終えている。さらに、現在in vivoレベルでの低酸素イメージングを行うために、このベクターのレポーター遺伝子をヒト由来のNa/I共輸送タンパク(hNIS)遺伝子に置換する行程を行っている。hNISはヒトの甲状腺生理的に存在しヨードの取り込みを担う膜タンパクであるため、放射性ヨードやパーテクネテートをレポータープローブとして用いることができ、PETの様に複雑なトレーサ合成を必要とせず、SPECTで低酸素イメージングが可能となる。
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