腫瘍特異的ウイルスカプシド成分の合成による腫瘍特異的吸着リポソームの開発

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19390508
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 外科系歯学
• 研究機関: 千葉大学
• 研究代表者: 鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30302558)
• 研究分担者: 白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194) ; 椎葉 正史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20301096) ; 武川 寛樹 筑波大学, 医学部・臨床医学系, 教授 (80173558) ; 齋藤 謙悟 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70451755)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 臨床腫瘍学

研究概要

ドラッグ・デリバリー・システムにおいて、効率良く癌細胞へ特異的に吸着するシステムを開発した。我々は、腫瘍細胞膜上のレセプターを介して腫瘍に特異的に吸着するが、ヒトに対しては低病原性であるシンドビスウイルスを分離し、腫瘍細胞レセプターと結合するウイルス蛋白を、シスプラチン含有リポソームへ修飾した。同リポソームは有意に腫瘍細胞を傷害していたが、正常細胞株である線維芽細胞では差がなかった。動物実験においても、有意な腫瘍抑制効果があった。以上から、今回開発したシンドビス蛋白で修飾したリポソームは、腫瘍特異的吸着リポソームとして癌治療へ応用可能であることが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Oncolytic virotherapy for oral squamous cell carcinoma using replication-competent viruses (2009)
  • 著者名/発表者名: Saito K, Shirasawa H, Isegawa N, Shiiba M, Uzawa K, Tanzawa H
  • 雑誌名: Oral Oncology 45(12) ページ: 1021-7
  • 査読あり
• [雑誌論文] Oncolytic activity of Sindbis virus in human oral squamous carcinoma cells (2009)
  • 著者名/発表者名: Saito K, Uzawa K, Kasamatsu A, Shinozuka K, Sakuma K, Yamatoji M, Shiiba M, Shino Y, Shirasawa H, Tanzawa H
  • 雑誌名: Br J Cancer 101(4) ページ: 684-90
  • 査読あり
• [学会発表] The effect of a cisplatin-encapsulating cancer-targeted lipsome with viral proteins on cancer cells 68^<th> (2009)
  • 著者名/発表者名: Saito K., Shirasawa H., Uzawa K., Tanzawa H.
  • 学会等名: Annual Meeting of the japanese Cancer Association
  • 発表場所: Yokohama
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] Oncolytic activity of sindbis virus for oral cancer cells (2008)
  • 著者名/発表者名: Saito k., Shirasawa H., Shiiba M., Uzawa K., Tanzawa H
  • 学会等名: 3th World Congress on Advances in Oncology and 11th International Symposium on Molecular Medicine
  • 発表場所: Greece Krete
  • 年月日: 20081000
• [産業財産権] 腫瘍特異性を有する新型リポソーム (2010)
  • 発明者名: 鵜沢一弘, 齋藤謙悟, 丹沢秀樹, 白澤浩, 山本惠司, 森部久仁一, 椎葉正史
  • 権利者名: 千葉大学
  • 産業財産権番号: 特願2010-086071号
  • 出願年月日: 2010-04-02