研究課題/領域番号 |
19390514
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阪井 丘芳 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90379082)
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研究分担者 |
野原 幹司 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (20346167)
福本 敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30264253)
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キーワード | 臓器 / 再生 / 唾液腺 / 分枝 / 形態形成 / 口腔乾燥症 |
研究概要 |
本研究は、口腔乾燥症(ドライマウス)の新しい治療法を開発するために、唾液腺再生をめざして、臓器形態形成機構を解明することを目的としている。具体的には、胎生期マウスの唾液腺の分枝部位(cleft)と非分枝部位(bud)から、上皮組織を摘出し、比較することにより、形態形成に寄与する新規遺伝子群を明らかにすることである。 平成20年度に実施した研究の成果については、 1.唾液腺の分枝形態形成に関わる遺伝子のスクリーニング cleftとbud領域の上皮組織からT7-SAGEライブラリーを作製し、それぞれの領域に発現する遺伝子群を同定した。cleft/budとして比較し、cleftに強く発現する遺伝子に着目した。 2.cleft上皮に特異的に発現する遺伝子の発現量・発現分布確認 定量的real-time PCRとin situ hybridization法を用いて、同定した遺伝子(仮名:遺伝子A、名称検討中)がcleftに強く発現していることを確認した。 3.器官培養を用いたRNA干渉(siRNA, small interfering RNA)法による阻害実験 遺伝子AのsiRNAを作製し、器官培養中の唾液腺に導入したところ、分枝形態形成が阻害され、分枝形態形成に関与する可能性が示唆された。 4.器官培養を用いた遺伝子導入実験 アデノウィルス等を用いて、唾液腺に遺伝子Aを強制発現させようと準備中である。哺乳類の臓器への遺伝子導入はなかなか安定した結果が得られず、過去の研究においても成功例が少ないのが現状である。技術的に改良を加え、人工唾液腺臓器モデルの開発へと研究を発展させる予定である。
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