研究課題/領域番号 |
19390522
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
福田 仁一 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00106270)
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研究分担者 |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40188793)
吉岡 泉 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10305823)
土生 学 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00360058)
岩永 賢二郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20448484)
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キーワード | ソノポレーション法 / 超音波導入法 / マイクロバブル / ナノバブル / 抗癌効果 / 口腔癌 / 扁平上皮癌細胞 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
これまで、我々の研究グループは、有効な口腔癌の治療法の開発を進めてきた.その中で、超音波を用いた治療法(ソノポレーション法)が効果的であることを示し、とくに扁平上皮癌細胞に対して致死的に作用することを見出した.一般的な方法としてソノポレーション法にはさまざまなマイクロバブルが併用されているが、我々はoptisonおよびsonoviewを用いて、in vitroとin vivoの実験系で検証したところ、良好な成績が得られ、臨床応用への道が開かれてきた.例えば、optisonを併用して、担癌マウスに抗癌剤や細胞致死活性を有する遺伝子をソノポレーション法で導入したところ、周囲組織に傷害を与えることなく、癌組織を消失させることに成功した. そこで、本年度は、これまで以上に特異的に癌細胞に効果を発現する手法の確立を試みた.ここでは、分子標的治療法を目指し、上皮系の癌細胞の表層に特異的に発現されている上皮成長因子受容体(EGFR)に着目し、抗癌剤や遺伝子導入時の併用効果を検証した.さらに、マイクロバブルの次世代造影剤として注目されているナノバブルの有効性についても調べた. まず、抗EGFR抗体の精製とそこからFabの調整方法を確立し、ソノポレーション法で口腔由来の扁平上皮癌細胞Ca9-22細胞に、抗癌剤や遺伝子を導入する際の効果を検討した.今回、in vitroの実験系で、抗EGFR抗体を用いることで、抗癌剤や遺伝子が特異的にCa9-22細胞に導入されることが明らかとなった.さらに、抗EGFR抗体から調製したFabを培養系に応用したところ、低濃度でより高い致死効果の発現が認められた.この結果は、次年度、抗EGFR抗体、とくに、そのFab部分をナノバブルに結合させることで、ソノポレーション法でさまざまな薬剤や遺伝子の導入が可能になることを強く示唆するものであると確信している.
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