研究分担者 |
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40188793)
吉岡 泉 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10305823)
土生 学 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00360058)
岩永 賢二郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20448484)
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研究概要 |
申請者らは,抗癌剤または癌抑制遺伝子を非ウィルスベクター法で導入する方法を検討してきた.これまで,口腔扁平上皮癌の治療のために,マイクロバブルとソノポレーション法を用いた遺伝子・薬剤導入法を検討し,一定の抗癌効果があることを確認した.しかしマイクロバブルは形状的に大きく(2〜4.5μm),遺伝子治療の臨床で要求される組織深部に到達することは困難であった.そこで,我々は新たな遺伝子・薬剤キャリアーとして超音波造影ガス(パーフルオロプロパン)を封入した新規リポソーム(バブルリポソーム400〜500nm)(帝京大学薬学部生物薬剤学教室より供与)に着目し,マイクロバブルを用いた導入法とその導入効果を比較した.pVIVO1-GFP/LacZを超音波発振装置とマイクロバブル(SonoVue),またはナノバブル(DSPE-PEG liposome)を用いてヒト歯肉扁平上皮癌細胞Ca9-22細胞に導入した.LacZ、GFPの発現をそれぞれX-gal染色,フローサイトメーターで解析したところ,マイクロバブル群に比べ,ナノバブル群で明らかな導入効果の増強が認められた.また,ナノバブルを用い,ブレオマイシンをCa9-22細胞に導入したところ,コントロール群に比べ,導入群で明らかに致死活性効果が増強することを確認した.また,ドキソルビシン内包PEGリポソーム(ナノバブル)製剤であるドキシルや,EGFRを標的にするモノクローナル抗体薬剤であるセツキシマブ,新規ペプチド製剤であるKy-2など,多種類の抗癌剤をナノバブルを併用したソノポレーション法でCa9-22細胞に導入したところ,一定の抗腫瘍効果を認めた.以上の結果から,ソノポレーション法は口腔癌治療における薬剤・遺伝子デリバリーシステムの1つとして有効であり,安全で治療効果が高い癌治療法としての可能性が示唆された.
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