研究課題/領域番号 |
19390527
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐伯 修一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 非常勤講師 (60271954)
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研究分担者 |
春山 直人 東京医科歯科大学, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (70359529)
五十嵐 薫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70202851)
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キーワード | 軟骨 / アメロジェニン / スプライスアイソフォーム / エナメルタンパク |
研究概要 |
従来アメロジェニンはエナメル芽細胞に特異的に発現する基質タンパクと考えられていたが、近年ヘルトビッヒの上皮鞘(マラッセの上皮遺残)、象牙芽細胞、骨、軟骨、歯周組織、間葉系幹細胞、あるいは造血幹細胞など、幅広い組織での発現が確認されつつある。本研究は、本来エナメルの基質タンパクとして分泌されるタンパクのスプライスアイソフォームが、シグナル伝達物質として軟骨細胞に作用するという仮説を証明することが目的である。II型コラーゲンプロモーター下流にアメロジェニンのサブクローニングをおこない、まずATDC5細胞にて発現が可能かどうか確認を行ったが、適切なタンパク発現が得られなかったためトランスジェニックマウス作成は行わず、本年度はアメロジェニンの異なる2つのアイソフォームを293F細胞にて強制発現させ、回収したタンパクを濃縮して軟骨細胞株ATDC5細胞へ添加し、軟骨分化様相の違いを分析した。M180、LRAPは、軟骨細胞株のALP活性を上昇させるとともに、軟骨基質の分泌を促進させ、軟骨細胞への分化を促進させることが示唆され、この成果について学会発表を行った。アメロジェニンKOマウスは生後約21日まで野生型に比較して体重が小さいという過去の報告と合わせると、本実験から得られた結果は、アメロジェニンが軟骨系細胞に及ぼす役割を明らかにし、軟骨発育制御や顎関節軟骨修復など、将来の歯科矯正治療のみならず歯科治療全体に貢献する有益な情報をえる端緒になったと考える。
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