研究概要 |
実験1歯周病原性菌の臨床分離方法の検討 1.サンプル採取方法は,小児の特殊性を考慮し,ペーパーポイントを10本、挿入時間を10秒として集菌した。2.サンプルの保存液はブルセラHK培地、ヘミンおよびビタミンK1添加BHI培地、PRAS ringer液とし、2〜3日予備還元して用いた。輸送容器は1.5ml遠心用チューブ、スクリューキャップ付きプラスチック製チューブおよび嫌気ポーターとした。保存時間は滅菌容器で30分以内、嫌気条件下で2時間以内とした。3,サンプルを播種する非選択培地はヒツジ脱繊維血液添加ブルセラHK寒天培地とし、ブルセラHK液体培地にて10-3〜10-6の希釈を行い、播種した。嫌気ジャー法を採用し、大気暴露時間は30分以内とした。継代および分離同定には、非選択培地の他、バシトラシンおよびバンコマイシン含有TSBYE、CDCバクテロイデス、および変法FMの各寒天培地を使用した。嫌気培養は37℃で7日聞培養した。継代は寒天培地で行った。4。菌種の同定は,コロニーの色調および形態、グラム染色にて株を選択した。最終的な菌種の同定は、菌種特異的なプライマーを用いたPCR法にて行った。 実験2歯周病原性菌のDNAフィンガープリント条件の検討 パルスフィールドゲル電気泳動を用いたDNAフィンガープリントをい,以下を検討した。 1.DNA抽出および制限酵素処理方法は、2%low melt agaroseに菌体を封入し、1.5mg/ml lysozymeを加えて37℃24時間処理後、2mg/ml protenase Kおよび1%SDSを加えて50℃72時間処理することにより細胞壁溶解およびタンパク除去した。また、.40UのNotIおよびEcoRIにて37℃15時間制限酵素処理した。2.泳動条件は1%Pulse Field Certified agaroseと0.5XTBEを用い、スイッチングタイム5,3〜49.9秒、パルス角度120°、電圧勾配6V/cm、液温14℃にて24時間泳動した。 今後は,(1)小児および保護者を対象とした歯周病原性細菌の臨床分離(2)DNAフィンガープリント法による保有菌株の同定(3)家族内伝播の検討を行う予定である。
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