研究課題/領域番号 |
19390533
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
進士 久明 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (00147993)
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研究分担者 |
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 准教授 (20104333)
大川 浩作 信州大学, 繊維学部, 准教授 (60291390)
山口 三菜 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (10386849)
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キーワード | ホスホセリン / 歯質 / 石灰化 / ナノファイバー |
研究概要 |
合成リン酸化ポリペプチドであるポリホスホセリンおよびポリホスホセリンとアスパラギン酸の共重合体は、溶液中でアパタイトに吸着し、さらにカルシウムを沈着させ効率よくリン酸カルシウムを生成してヒドロキシアパタイトの結晶成長を促進させることを報告してきた。 今回は、ポリホスホセリンを用いて牛歯上に誘導形成した硬組織を、共焦点レーザーラマン分光装置を用いて分析したところ、リン酸カルシウムの結晶であることが再確認できた。 また、硬組織形成をより効果的に生成できるように、エレクトロスピニング法によってセルロースあるいはゼラチンの微細繊維不織布に合成リン酸化ポリペプチドを含有させた場合の硬組織形成能についても検索を行った。 その結果、エレクトロスピニング法によって作製したセルロースあるいはゼラチンの不織布のみに比較して、ホスホセリンとアスパラギン酸の共重合体を含む不織布の方が硬組織形成は効率よく、エックス線回折による分析によって、形成された硬組織はヒドロキシアパタイトであることをつきとめた。 つまり、ホスホセリンとアスパラギン酸の共重合体は不織布上にカルシウムを誘導しリン酸カルシウム結晶を生成した後、ヒドロキシアパタイトに成長させると考えられた。 よって、ポリホスホセリンとアスパラギン酸の共重合体を含むセルロースあるいはゼラチンの不織布は、硬組織形成を必要とする医学的用途に寄与できるものであることが示唆された。歯科医学分野においては、窩溝填塞、齲蝕による実質欠損の修復(歯質再生)に使用可能な材料として期待できることがわかった。
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