研究課題/領域番号 |
19390534
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
朝田 芳信 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20184145)
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研究分担者 |
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40200018)
井上 裕子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (50367306)
美島 健二 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (50275343)
斎藤 一郎 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60147634)
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キーワード | 樋状根 / Recombinant / inbred mice / マイクロアレイ法 / QTL解析 / SHH pathway / AKXLマウス |
研究概要 |
1.Recombinant inbred miceを用いたQTL解析 C57L/J(樋状根を有する系統)とAKR/J(正常歯根を有する系統)マウスのrecombinant inbred(RI)であるAKXLマウスを試料とし、そのうちの9系統を用いたQTL解析から、染色体5番および6番が樋状根成因に関与する遺伝子が存在する候補染色体となり、5番染色体上のsonic hedgehog (SHH)と6番染色体上のsmoothened homolog (Smo)が候補遺伝子となる可能性が示唆された。平成19年度に行ったN2マウスを用いたQTL解析結果からも6番染色体が候補として検出されており、今回の結果と合わせて、樋状根成因に関する主要遺伝子は染色体6番上に存在する可能性が強く示唆された。 2.マイクロアレイ法を用いた網羅的遺伝子発現解析 C57L/JマウスとC57BL/6Jマウス(正常歯根を有する系統)の生後10日齢から13日齢の下顎骨から第二臼歯を摘出し、通法に従いTryzolを用いてtotal RNA抽出し、これを基にcDNAを作製した。得られたcDNAからcRNAを作製し標識後、マイクロアレイ法にて解析を行った。とくに、C57LマウスとC57BLマウスとの問において、SHHとpatched homolog (Ptch1)遺伝子の発現パターンに違いがみられた。両遺伝子ともに、生後11日齢のC57Lマウスにおいて、発現量が正常マウスに比べ、著しく減少した。しかし、SHH pathwayに属するSmoおよびGLI-Kruppel family member1 (Gli1)遺伝子においては、両系統間で発現量に差は認められなかった。 上記の2つのアッセイ系の結果から、樋状根成因には、SHH pathwayが重要な役割を演じている可能性が強く疑われた。今後は、SHH signal系に関与する遺伝子を中心にReal timePCRを行うと共に、in situ hybridizationを行うことで、歯冠から歯根形成にシフトする時期に特異的に関与する主要遺伝子の特定と樋状根成因のメカニズムを解明するためのRNAi法を行っていく予定である。
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