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2009 年度 実績報告書

口腔フローラが口腔と全身の健康に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19390541
研究機関九州大学

研究代表者

山下 喜久  九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20192403)

キーワード口腔フローラ / 口腔疾患 / 全身の健康 / 16S rRNA遺伝子 / T-RFLP
研究概要

本年度は、これまでに行ってきた口腔細菌叢の分析結果を効率的に解析するため下記の点について検討し、当初計画していた最終結果を得た。
(1) 細菌叢解析プログラムの開発:既に開発したTRFMAに基づき、菌の種類だけではなく、各菌種が全体に占める割合が求められるプログラムをモンテカルロ法による積分(面積)の近似解を求める方法を応用して作成した。
(2) T-RFLPパターンの統計処理方法の開発:多数のサンプルをまとめて解析するために、口腔細菌叢のパターン解析をさまざまな統計処理により、口腔の臨床徴候と比較検討できる方法を開発した。数百の分析サンプルのT-RFLPピークパターンを相関係数行列から菌種とピークの対応を推定する方法を検討し、さらに、比較的単純な線形計画法で数値を処理して、システムに負担をかけずに多数の分析結果から菌種の割合を一度に計算するシステムを構築した。
(3) クローンライブラリー法による計算結果の精度検証:上記(1)あるいは(2)によって算出した菌種推定および割合の計算の精度を検証するために、クローンライブラリー法で一つ一つの16S rRNA遺伝子の塩基配列を決定することで確認した。各サンプル100以上のクローンの塩基配列を決定し、菌種の同定を行ない、それぞれのクローンの個数を集計することで、割合の計算結果の精度が確認できた。
(4) T-RFLP法の効率化の進展:T-RFLP解析の精度向上と処理速度の向上を目指し、異なる2種の蛍光物質で標識したプライマーを用いて一つのDNA断片から2倍の情報を得るようにし、複数の制限酵素を利用することで断片に関する情報量を増した。2種の蛍光標識と2種の制限酵素を用いることで、従来の4倍の情報が得られ、解析の精度と速度が向上した。これに合わせた解析プログラムが必要となり、上記(1)および(2)のシステムも情報量の多い分析結果を処理できるように改変した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Relationship between oral malodor and the global composition of indigen ous bacterial populations in saliva.2010

    • 著者名/発表者名
      Takeshita T, et al.
    • 雑誌名

      Appl Eviron Microbiol (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Microfloral characterization of the tongue coating and associated risk for pneumonia-related health problems in the institutionalized elderly2010

    • 著者名/発表者名
      Takeshita T, et al.
    • 雑誌名

      J Am Geriatr Soc (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 唾液中に認められる細菌種由来についての検討2010

    • 著者名/発表者名
      竹下徹、山中渉、山下喜久
    • 学会等名
      日本細菌学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜、横浜市
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 口腔細菌叢と高齢者の健康(ワークショップ)2010

    • 著者名/発表者名
      山下喜久
    • 学会等名
      日本細菌学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜、横浜市
    • 年月日
      2010-03-27
  • [学会発表] 口腔フローラの構成の評価とその可能性2009

    • 著者名/発表者名
      竹下徹、山下喜久
    • 学会等名
      日本口腔衛生学会
    • 発表場所
      長良川国際学会場、岐阜市
    • 年月日
      2009-10-09
  • [学会発表] Comprehensive analysis of the bacterial flora of tongue coating and pneumonia risk in the institutionalized elderly2009

    • 著者名/発表者名
      Tomioka M, et al.
    • 学会等名
      First European Congress on Microbial Biofilms
    • 発表場所
      Rome, Italy
    • 年月日
      2009-09-05
  • [図書] Informatics in Oral Medicine : Advanced techniques in clinical and diagnostic technologies2010

    • 著者名/発表者名
      Edited by Andriani Daskalaki
    • 総ページ数
      424
    • 出版者
      Medical Information Science Reference
  • [図書] MI時代の歯科知識2009

    • 著者名/発表者名
      吉山昌宏、伊藤博夫、十河基文編集
    • 総ページ数
      137
    • 出版者
      末永書店

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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