研究課題/領域番号 |
19390552
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研究機関 | 聖路加看護大学 |
研究代表者 |
中山 和弘 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (50222170)
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研究分担者 |
有森 直子 聖路加看護大学, 看護学部, 准教授 (90218975)
小松 浩子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (60158300)
藤井 徹也 名古屋大学, 医学部, 准教授 (50275153)
高山 智子 国立がんセンター, がん対策情報センター診療実態調査室, 室長 (20362957)
石川 ひろの 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40384846)
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キーワード | ヘルスリテラシー / ヘルスコミュニケーション / Web / 保健医療情報学 / 消費者健康情報学 / 看護情報学 / 意思決定支援 / 保健医療社会学 |
研究概要 |
目的:患者や家族がネット上の健康情報に関する情報リテラシーの不足によって、その収集、理解、信頼、解釈や意思決定、行動の適切さが阻害されている状況、さらにはそれによって不安やストレスが増大している状況への対応の方法を検討することであった。 方法:利用者参加型のQ&Aサイトとして「OKwave」での相談事例を対象とした。検索の対象とした質問のカテゴリは、「美容と健康」のなかの「健康」で、キーワードは「ネット web ウェブサイト ページ 掲示板 HP」であった。そのなかから、「ネットを調べたり、質問して回答を得たことで生じたと考えられる問題、ネットを利用した被害の事例」、より具体的には「質問者自身や周囲の人が客観的に健康などに悪影響がある場合」「質問者自身や周囲の人が心理的な訴えがある場合」を抽出した。 結果:質問事例は18種類に分類できた。全体として多く見られた事例は、「情報による混乱(調べるほど何がなんだかわからなくなった、不安が増したなど)」「情報の理解力(調べてもわからない、理解できない)」「情報収集力(ネットで調べても見つからない)」「情報の誤解(ネットで調べて医学的診断でなく素人判断して事実と違うように判断している)」「ネット情報による医療者との関係(主治医は、ネットで調べた事をいっても信用してくれない、言えないなど)」などであった。これらの質問に対して、質問者が「良回答」と評価した回答を、「メタボリックシンドローム」「生活習慣病」の相談を例に分析したところ、専門家以外でも同様の評価を得ていた。 考察:有効なヘルスコミュニケーション(健康情報の伝達・共有)には、個々人の状況や文脈に沿う必要があることが確認された。このような消費者生成型メディア(CGM)は、それを実現している可能性があり、さらなる良回答の分析を進めることで、その位置と役割やここから医療職が学べることが検討できると考えられた。
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