研究概要 |
研究最終年度の本年度は,以下に述べる研究活動を行なった。 まず,サービスの提供において有用な看護管理者の指標を確立するため,平成16年~18年度科学研究「医療機関における看護サービスの提供と質の保証のためのデータベース開発に関する研究(研究代表者:井部俊子)」において開発した「NMMDS-j Ver.1.1」について,サービスマネジメントの視点を取り入れた質問項目を追加・修正した。新たなカテゴリーは、「計画」、「動機付け」、「教育」、コミュニケーション」、「組織」、「アウトカム」の6項目となった。次に、2次改訂した質問紙(以下改訂版MaINとする)を用いて,全国3,000病院の看護管理者を対象とした大規模調査を行い、改訂版MaINの信頼性と妥当性の検討を行った。その結果、信頼性については確保されているが、改定前の調査において見出された管理者経験年数などとMaINの得点との間に明確な関連性を見出すことができなかった。 また、看護基礎教育における看護管理学の日米英の教科書ならびに,日本の看護系大学ならびに米国の修士課程における看護管理学コースのシラバスを分析した結果、我が国の看護基礎教育における看護管理学の教授内容は、組織の構造や機能に重点が置かれており、マーケティング的発想や看護管理学研究への関心が低いことが示唆された。また英米においても、マーケティングや看護管理学研究の扱いは少ないことが明らかとなった。 以上の調査の結果及び過去2年間に得られた知見をもとに、サービスマネジメントをフレームワークとした、看護某礎教育における看護管理学体系化案を作成した。
|