研究課題/領域番号 |
19390556
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井上 智子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 教授 (20151615)
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研究分担者 |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 准教授 (90401356)
川本 祐子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 助教 (70527027)
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キーワード | 侵襲的治療 / 日常生活行動援助 / クリティカルケア看護 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に配布・回収した、全国200の基幹病院ICU、CCU、救命センター等で重症患者ケアに携わり、中核的な役割を担っている看護師(各施設2名、計400名)を対象にした質問紙調査の分析を行った。なお調査内容は、対象者の背景、人工呼吸器や大動脈バルンパンピング等の侵襲的医療処置を受ける患者への日常生活援助を行う際の看護師の判断について各々5段階の選択肢で尋ねたものであり、項目毎に中央値を算出し、「看護師判断度」とした。選択式回答は単純集計、自由回答は質的帰納的に分析を行った。 209名より回答を得た(回収率52.3%)。回答者の背景は、年齢は30代(59.8%)が最も多く、89.5%が女性であった。平均臨床経験年数は14.1±6.2年、そのうちクリティカルケア領域での平均経験年数は7.8±4.0年であった。職位はスタッフ看護師(60.3%)、最終学歴は専修学校・専門学校(65.6%)が最も多かった。また、看護師以外の保有資格として最も多いのは呼吸療法士(21.1%)であった。 侵襲的医療処置を受ける患者への日常生活援助の中で、装着機器等を問わず看護師による判断度が特に高い援助としては、「部分清拭」や「陰部洗浄」、「足浴・手浴」、「口腔ケア」であった。逆に、装着機器等によって看護師判断度にばらつきが出たものは、「ベッドアップ(15度~座位)」と「腹臥位」であった。また、「腹臥位」と「浣腸」は、いずれの医療処置環境においても、医師の指示をもとに実施される傾向が見られた。「経皮的補助循環装置」「大動脈バルンパンピング」を装着中の患者への日常生活援助では、看護師判断度が特に低かった。これらを基に、平成22年度(最終年)は、侵襲的治療環境下にある患者の日常生活行動援助ケア技術の分析と構造化を行う予定である。
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