研究課題/領域番号 |
19390556
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
井上 智子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (20151615)
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研究分担者 |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 准教授 (90401356)
川本 祐子 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (70527027)
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キーワード | 侵襲的治療 / 日常生活行動援助 / クリティカルケア看護師 |
研究概要 |
本研究は、看護師による侵襲的治療環境下での日常生活行動援助の現状と、看護師と医師の認識を分析し、役割拡大の時代のクリティカルケア看護師の重症患者への日常生活行動援助のあり方を検討するものである。文献検討を基に各生活行動援助と各侵襲的医療処置を中心とした調査票を作成し、全国調査を行った結果を、本年度は同様の主旨の医師への調査結果と比較し、その関連性、相違の分析を行った。その結果、看護師209名の回答と、大学病院に勤務する524名の医師との結果より、看護師の医行為の実施の現状を、医師は低率に見積もっていること、現在看護師は行っていないが、医師からは実施が期待されている項目(CVカテの抜去、透析患者への薬剤投与等)、現在は看護師が高率に実施しているが、医師からは看護師の実施が歓迎されていない項目(抗菌薬の変更、副作用症状出現時の投与中止等)が明らかとなった。 得られたデータを分析し、重症患者の日常生活行動援助ケアの構造化を試みた。縦軸には各ケアの項目の「ケア前」「ケア中」「ケア後」、さらにはそれぞれ身体・心理・社会・環境の下位カテゴリを持ち、横軸には実施基準、実施カテゴリ、サブカテゴリとしての3段階の構造をもつ、ケア実施基準が明らかとなった。侵襲的治療受ける重症患者への日常生活行動援助では、現在でも医師の指示を必要とする側面があるが、看護師の臨床判断と構造化されたケア実施基準により、安全で安楽なケア提供が可能となる。今後はさらに事例数枝を重ねて検証することが必要である。
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