研究課題/領域番号 |
19390558
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
我部山 キヨ子 京都大学, 医学研究科, 教授 (20243082)
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研究分担者 |
稲葉 忠司 三重大学, 工学研究科, 准教授 (70273349)
小畑 秀明 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (60437118)
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キーワード | 超音波診断 / 超音波検査 / 人体模型 / 胎児模型 / 助産診断 / 教育ガイドライン |
研究概要 |
本研究の目的は、助産師が超音波診断技術を修得するために使用する精巧で本物に近似した画像が得られる超音波用人体模型を開発し、その人体模型を用いて超音波診断技術を身につけさせるための超音波教育ガイドラインを作成することである。今年度の研究の目的は以下のとおりである。 1.超音波診断に関する教育方法の検討 助産師学生23名に超音波診断法の基礎的講義と超音波シミュレーターを用いた演習を行い、その後、個別に超音波シミュレーターでの胎児計測演習を15回実施した。講義の理解度の評価は、講義前後に自記式質問紙で自己・他者評価を行い、実技演習の評価は胎児各部位の実測値と計測所要時間を調べた。講義の理解度は、「画像調整・操作方法」「画像理解・計測方法」の10項目で、「わからない」及び「あまりわからない」が約半数を占めた。胎児計測評価では、頭臀長は5回目、腹部前後径は10回目から、基準値と実測値のズレが少なくなった。大横径のズレは第1回目から5%以内であり、他の部位よりも基準値に最も近い正確な計測値を示した。胎児計測の所要時間は、演習1回目との比較で有意な短縮を示したのは、頭臀長7回目、大横径4回目、腹部横径・前後径5回目からであった。超音波診断法の教育においては、実技演習の教育は必須で有り、安定した時間で胎児各部位の正確な計測ができるまでには、少なくとも10回程度の演習が必要であることが示唆された。今後は、演習間の間隔についての検証が必要である。 2.超音波診断に用いる人体(胎児)模型の作製 妊娠20週の母胎腹部・胎児模型を作成した。第一試作品(胎児骨格)、第二試作品(胎児骨格部分を特殊樹脂に入れ込む)、第三試作品(胎児臓器を入れ込む)を経て、第四試作品(母体腹部に胎児骨格・胎児臓器等を入れ込む)を作成した。超音波画像のコントラストを実像と近似するように、産婦人科医の指導の下で画像評価を行い、完成させた。
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