研究課題/領域番号 |
19390567
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
澤田 いずみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (50285011)
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研究分担者 |
宮島 直子 北海道大学, 医学部, 准教授 (60229854)
吉野 淳一 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80305242)
平塚 志保 北海道大学, 医学部, 准教授 (10238371)
今野 美紀 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (00264531)
高橋 由美子 札幌医科大学, 保健医療学部, 研究員 (60438033)
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キーワード | 統合失調症 / 妊娠・出産 / 子育て / 看護 / 面接調査 / 当事者 / ケアガイド |
研究概要 |
1.支援体制に関するフィールドワークの継続 北海道浦河町共同作業所ベテルの「当事者研究発表会」、浦河保健所の「応援ミーティングの見学」等、延べ4日間フィールドワークを行った。今後、支援プログラムに組み込む予定であるペレントトレーニングのセミナーを浦河町デイサービスにて、発達障害の子どもを持つ親と統合失調症を含む精神障害を持つ親約20名を対象に2時間行った。参加者から具体的で役立つ等の評価を得、次年度浦河赤十字病院デイケアにて行う予定である。 2.当事者への面接調査の実施 統合失調症であり妊娠・出産・子育てを経験した女性2名から協力を得、1時間以内の個別面接を4,5回実施した。当事者にとって妊娠は喜びであり、服薬は児を思うゆえに罪悪として体験されていた。病状悪化時は苦痛や不安の受け手としての支援者や家族は幻覚・妄想に取り込まれ、当事者は孤立感を強めていた。児の無事な出生は喜びと安堵をもたらすが、育児技術獲得の困難さに無力感とともに自己の存在価値の傷つきを体験し、逃避的行動をとりながらも、身近な支援者や子育て体験者との語りと、"宝もの"である児との愛着形成の中に自己価値の修復を見出していた。服薬管理と家族調整による病状悪化の防止と愛着形成を含めた当事者の育児力向上への支援が課題と考えられた。 3.ケアガイドの作成 これまでの研究結果をもとに「統合失調症を治療しながら子どもを希望される方のために」と題したA4サイズの看護職のためのケアガイドを作成した。道内の産科・精神科を有する総合病院22か所、保健所30か所、訪問看護ステーション57か所、札幌市内精神科病院31か所、計140か所へ配布した。ケアガイドの有用性についての質問紙も同封し、現在集計を進めている。 4.成果報告 日本精神保健看護学会、日本地域看護学会、北海道公衆衛生学会、日本母性衛生学会、国際女性心身医学会にて、研究成果について発表を行った。
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