研究課題/領域番号 |
19390573
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
村田 伸 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (00389503)
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研究分担者 |
藤野 英己 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (20278998)
山崎 先也 第一福祉大学, 人間社会福祉学部, 講師 (20352354)
小野 ミツ 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60315182)
豊田 謙二 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (60244802)
村田 潤 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00304428)
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キーワード | 在宅高齢者 / 転倒予防 / 身体機能 / 認知機能 / 心理機能 / ランダム化比較試験 |
研究概要 |
本年度は、福岡県福智町方城地域のミニデイサービス事業に登録している高齢者63名のうち、309名(男性62名、女性229名)の調査が行えた。調査は転倒経験の有無の他、身体機能評価として握力、下肢筋力、柔軟性、上肢巧緻性、立位バランス、歩行能力、活動能力を評価した。認知機能の評価としてはMini-Mental State Examinatk加の他に注意力としてTrail making testを評価した。また、心理面の評価として主観的健康感、生活満足度、生きがい感、人間関係に対する満足度をVisual Analogue Scaleで評価した。それらを分析した結果、以下の知見が示された。1.後期高齢者(75歳以上)と前期高齢者の身体・認知・心理機能を比較すると、後期高齢者は前期高齢者に比べて身体機能や認知機能が有意に低下していること、とくに立位バランスや下肢筋力、および注意機能の低下が著明に認められた。これらの知見から、後期高齢者の転倒の危険性が示唆され、後期高齢者の健康支援には立位バランスや下肢筋力の向上トレーニング、ならびに注意トレーニングを行う必要性が明らかとなった。一方、心理面の評価として実施した主観的健康感、生活満足度、生きがい感、人間関係に対する満足度には、前期と後期高齢者の間でとくに有意差を認めず、心理機能は身体機能や認知機能と比較し、加齢の影響を受けにくいことが示された(健康支援第9巻2号、110〜118に掲載)。2.女性高齢者の立位バランスの影響因子を重回帰分析によって検討すると、片足立ち保持時間に影響を及ぼす因子として抽出されたのは、足把持力と年齢であり、足把持力が強いほど、また年齢が若いほどに、片足立ち保持が安定していることが確認された。このことから、地域在住女性高齢者の片足立ち能力を高めるためには、足把持力を高めることの重要性が示された(理学療法科学に印刷中)。
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