研究課題/領域番号 |
19390573
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研究機関 | 西九州大学 |
研究代表者 |
村田 伸 西九州大学, リハビリテーション学部, 教授 (00389503)
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研究分担者 |
小野 ミツ 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60315182)
豊田 謙二 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60244802)
大山 美智江 福岡県立大学, 人間社会学部, 研究員 (40448816)
村田 潤 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (00304428)
山崎 先也 福岡医療福祉大学, 人間社会福祉学部, 教授 (20352354)
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キーワード | 在宅高齢者 / 転倒予防 / 身体機能 / 認知機能 / 心理機能 / ランダム化比較試験 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に実施した集団的転倒予防プログラムの効果判定結果を受け、追跡調査を継続して行うとともに、効果的な個別的転倒予防プログラムを作成した。本年度までに実施した高齢者の転倒調査、身体・認知・精神心理機能検査を実施した高齢者数は述べ1,191名、重複(継続)調査者を除くと562名の調査が行えた。これは対象地域(福岡県福智町方城地区)の高齢者数(2,040名)の4分の1に相当する。 本年度実施者306名における過去1年間に転倒を経験した高齢者は22%であり、転倒予防プログラム介入の著明な効果は認められない。ただし、転倒予防を含めて健康増進のために、定期的に運動を行っている高齢者(トランスセオレティカルモデルの構成概念である行動変化ステージの実行期と維持期)は70%に及んでいる。運動習慣に関する全国調査(厚生労働省;国民健康・栄養調査,2007)によると、高齢者で運動習慣のある者の割合は男女ともに40%を下回っており、本研究の対象地域の転倒予防に対する意識が高いことは明らかであり、本研究の一つの介入効果と考えられる。 また本年度は、トランスセオレティカルモデルの構成概念であるステージアルゴリズム尺度にあわせ、150名を対象にウォーキングならびに各種健康体操の介入研究を1年間実施した。その結果、行動変化のステージは有意に高まり、運動を継続できた高齢者は下肢筋力や持久力が向上した。ただし、立位バランスに介入効果は認められず、地域で自立生活を営んでいる高齢者において、身体機能の向上による転倒予防効果の限界が示された。
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