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2007 年度 実績報告書

社会体制の変革に伴う移牧の変貌と土地荒廃

研究課題

研究課題/領域番号 19401003
研究機関法政大学

研究代表者

吉野 和子 (漆原 和子)  法政大学, 文学部, 教授 (00101329)

研究分担者 白坂 蕃  立教大学, 観光学部, 教授 (40014790)
渡邉 悌二  北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 助教授 (40240501)
キーワード羊の移牧 / 土地荒廃 / 二重移牧 / EU加盟後の変革 / 草地の林地化 / カルパチア山地 / ロドピ山地 / 零細牧畜業
研究概要

ルーマニアとブルガリアにおける羊の移牧がEU加盟直後どのような変質をせまられているのか,その結果自然環境にどのようなストレスを与えているのかを知るために,2007年8月18日から9月22日までルーマニアのカルパチア山地と,ブルガリアのロドピ山地の調査をおこなった。その結果両国でEU加盟後の羊の移牧の変質が異なっていることがわかった。ルーマニアでは羊のチーズ保管方法の改善,商品としての保冷庫での移送の義務化など,先進国の牧畜業と同じ条件が課せられているため,200頭以下の農家の経営がたちゆかなくなっていて,小規模牧畜業者は転業をせまられている。一方で家族,親戚等で統合し,経営規模を拡大し,1,000頭〜2,000頭にすることで抵抗力をつけた牧畜業者が出現し始めている。特定の場所では,土壌侵食が一層深刻化をしている。一方零細牧畜業者が廃業したことで草地が林地化する場所も増加している。かって自由主義化したことによって大きく変革したルーマニアの移牧はEU加盟によって再び大きく変化を遂げようとしている。ブルガリアは自由主義化の後,移牧は衰退し,むしろ草地の林地化が著しい地域が増加していた。EU加盟後,ブルガリアではチーズ工場の建設,小規模の牧畜業者育成のための助成金の支給など,ルーマニアとは別の方向でのEUの支援が目立った。EUは今後,ブルガリアの羊の牧畜を一層増進させようとしている。このことは,今後の自然環境へどのようなストレスを与えていくのか,さらに追跡する必要がある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ルーマニア,トランシルヴァニア山地におけるヒツジの移牧2008

    • 著者名/発表者名
      白坂 蕃
    • 雑誌名

      立教大学観光学部紀要 10

      ページ: 7-38

  • [雑誌論文] Degradation of Geoecological and Hydrological Conditions due to Grazing in South Carpathian Mountains under the Influence of Changillg Social Structure in Romania.2007

    • 著者名/発表者名
      Urushibara-Yoshino, K. Mori, K.
    • 雑誌名

      Geographical Review of Japan 80

      ページ: 76-93

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Transhumance of Sheep in the Southem Carpathian Mts.,Romania.2007

    • 著者名/発表者名
      Shirasaka, S.
    • 雑誌名

      Geographical Review of Japan 80

      ページ: 94-115

    • 査読あり
  • [学会発表] Transhumans of Sheep in Romania and Bulgaria after the Revolution and EU Joining2008

    • 著者名/発表者名
      Urushibara K. Shirasaka S. Watanabe T. Mori K.
    • 学会等名
      31st International Geographical Congress(発表確定)
    • 発表場所
      Le Kram Congress and Exhibition Centre
    • 年月日
      2008-08-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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