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2008 年度 実績報告書

「マニラ戦」の実像と記憶:平和のための地域研究

研究課題

研究課題/領域番号 19401007
研究機関一橋大学

研究代表者

中野 聡  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00227852)

研究分担者 吉田 裕  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20166979)
宮地 尚子  一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60261054)
永井 均  広島市立大学, 広島平和研究所, 講師 (40347620)
笠原 十九司  都留文科大学, 文学部, 教授 (80125814)
キーワード歴史学 / 政治学 / 地域研究 / 社会系心理学
研究概要

本共同研究は、第2次世界大戦末期の「マニラ戦」の「実像」と「記憶」を学際的・総合的に検討し、さらに収集史資料と研究成果を相互翻訳・発信することにより、日・比・米など関係諸国間で戦争の過去をめぐり「より質の高い対話と和解」を実現する一助となることを目的としている。研究第2年度にあたる平成20年度は、(1)本格的な資料収集、(2)研究ワークショップの連続開催、(3)研究成果の社会還元の準備に重点をおいた。
具体的には、(1)について、林博史・関東学院大学教授(連携研究者)、永井が初年度に引き続き米国立公文書館を中心に「マニラ戦」関連史料を収集し、戦闘記録・戦争犯罪記録についての資料収集はおおむね完了した。中野はマニラ都市史に関連する資料の収集を開始した。宮地はマニラ戦被害者のトラウマ研究を開始した。(2)については、まず中野が7月24日にマニラで開催された第8回国際フィリピン研究会議の場を利用して研究報告を行い、海外研究協力者のリカルド・ホセ(フィリピン大学)、リディア・ホセ(アテネオ・デ・マニラ大学)両教授を招聘してのワークショップを10月24日に開催し、ハーバート・ビックス教授(SUNYビンガムトン大学)および寺見元恵氏(米国在住)を招聘してのワークショップをそれぞれ3月14日と26日に開催した。また、記録資料の保存とアーカイヴ化の方向性を検討するために、広島大学文書館長の小池聖一教授を招聘してのワークショップも3月16日に実施した。(3)については、資料集公刊に向けた資料選定を進めるとともに、フィリピン戦全般に関連して中野が1990年以来行ってきたインタビュー記録のテープ起こしを進め、およそ30時間分のテープをデジタル・テキスト化した。第3年度は、共同研究の重心をさらに(2)と(3)に移して、海外におけるワークショップ開催と資料集・論文集公刊に向けた作業を加速することをめざしている。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] 日本軍・日本兵による性暴力の意識と構造-「前近代」の「日本の戦場」の継承-2009

    • 著者名/発表者名
      笠原 十九司
    • 雑誌名

      歴史学研究 849号

      ページ: 11-19

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カルメン・ゲレロ・ナクピルと「マニラの死」 : 「対象喪失」の同時代史をめぐる予備的考察2008

    • 著者名/発表者名
      中野 聡
    • 雑誌名

      同時代史研究 1号

      ページ: 22-32

  • [雑誌論文] 戦争と特攻隊-いま、問われているもの2008

    • 著者名/発表者名
      吉田 裕
    • 雑誌名

      歴史地理教育 733号

      ページ: 10-17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 現代日本人の戦争認識と日中戦争2008

    • 著者名/発表者名
      吉田 裕
    • 雑誌名

      人民の歴史学 175号

      ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 男性の性被害 : 被害と加害の「連鎖」をめぐって2008

    • 著者名/発表者名
      宮地 尚子
    • 雑誌名

      トラウマディック・ストレス 6号

      ページ: 145-155

  • [学会発表] He Lost City : Carmen Guerrero Nakpil and the Battle for Manila 19452008

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Nakano
    • 学会等名
      The 8th International Conference on Philippine Studies (23-26 July 2008) Session 6B : Comparing Empires, Remembering War : Spain, the U. S. and Japan in Philippine History.
    • 発表場所
      Ateneo de Manila University, Loyola Heights campus, Quezon City, Philippines
    • 年月日
      2008-07-24
  • [図書] 南京事件70周年国際シンポジウムの記録2009

    • 著者名/発表者名
      記録集編集委員会編(中野聡)
    • 総ページ数
      152-162
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 「植民地責任」論 : 脱植民地化の比較史2009

    • 著者名/発表者名
      永原陽子編(中野聡)
    • 総ページ数
      366-392
    • 出版者
      青木書店
  • [図書] 証言記録 兵士たちの戦争(1)2009

    • 著者名/発表者名
      NHK「戦争証言」プロジェクト編(吉田裕)
    • 総ページ数
      8-17
    • 出版者
      日本放送出版協会
  • [図書] 南京事件70周年国際シンポジウムの記録2009

    • 著者名/発表者名
      記録集編集委員会編(笠原十九司)
    • 総ページ数
      10-49, 293-294, 317-332, 542-544
    • 出版者
      日本評論社
  • [図書] 市民の社会史2008

    • 著者名/発表者名
      一橋大学社会学部編(吉田裕)
    • 総ページ数
      19-37
    • 出版者
      彩流社
  • [図書] 性的支配と歴史 : 植民地主義から民族浄化まで2008

    • 著者名/発表者名
      宮地尚子編著
    • 総ページ数
      338
    • 出版者
      大月書店
  • [図書] 「百人斬り競争」と南京事件-史実の解明から歴史対話へ-2008

    • 著者名/発表者名
      笠原 十九司
    • 総ページ数
      282
    • 出版者
      大月書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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