(1)研究の目的 東アジアはグローバル化のもとで、地域間・内の構造格差、富裕層・中間層・不安定就業層の階層間格差という構造変動を同時代的に経験している。また、国境を越える人の移動は、国家と社会との関係を変容させようとしている。本研究は、日・中・韓の人・モノ・文化がもっとも激しく交錯している都市=青島をフィールドとしてインテンシブな調査研究を実施し、グローバル化のもとで成熟した市民社会が実現する可能性を実証的に解明する。 (2)研究の論点 (1)グローバル化が引き起こす構造転換を明らかにするために、都市の空間的拡大、産業構造の変遷、人口動態と居住空間の再編など基礎的な資料を収集する。 (2)人々の移動エネルギーが引き出される形態と論理を、聞き取り調査を通して人々の生活の内から解明する。 (3)現代中国が「市民社会」として成熟するための諸問題、すなわち外来者と地元住民との社会的格差の実態、格差が形成される論理、都市地域社会の再編を研究する。
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