研究課題/領域番号 |
19401009
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
堀坂 浩太郎 上智大学, 外国語学部, 教授 (80165597)
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研究分担者 |
谷 洋之 上智大学, 外国語学部, 准教授 (40278213)
岸川 毅 上智大学, 外国語学部, 教授 (60286755)
ネーヴェス マウロ 上智大学, 外国語学部, 教授 (40286753)
尾尻 希和 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (40408456)
幡谷 則子 上智大学, 外国語学部, 教授 (00338435)
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キーワード | メキシコ革命 / 革命党 / 民主化 / 経済政策 / 映画 / 国際比較 |
研究概要 |
本研究は、2010年に勃発から100周年を迎えた「メキシコ革命」の包括的理解をその現代的意義の把握を目指したものであった。その際に、メキシコ国内で議論ないし理解されているメキシコ革命像を把捉することはもとより、南北アメリカを中心とする対外関係がメキシコ革命に与えた作用ならびにメキシコ革命が20世紀の世界の動向に及ぼした影響をも視野に含めることを通じ、より立体的なメキシコ革命像の構築が目指された。この研究により、わが国におけるメキシコ近現代史の理解にひとつの貢献をなすことができたと考えられる。 本年度においては、平成19~20年度に実施された基本的な資科収集とその検討、ならびに現地調査の結果を踏まえ、各研究分担者が個別にその成果のとりまとめを図るとともに、それに関する討論とフィードバックを重ねてきた。その過程において、6月には日本ラテンアメリカ学会第30回定期大会において2件のパネルを組織し、研究の完成を目指した中間報告として、主に国内の専門家の批判・評価を仰いだ。また、その結果を踏まえ、3月には上智大学イベロアメリカ研究所より現時点での結論を1点の書物にまとめ上げることができた。そこでは総論「メキシコ革命とはどのような革命か」に続き、石油産業の再編および民主化過程の進展という現代的事象を「革命の遺産」として捉える2論考、メキシコ映画に描かれた革命像を検討することでその捉えられ方の変遷を探る論考、革命期の経済史を通覧する中でそれを「米国モデル」の探究と位置づけた論考、そして台湾の革命党体制およびキューバ革命とメキシコのそれとを比較することにより、メキシコ革命の相対化を図った2論考が掲載され、メキシコ革命とそれに続く時代を立体的に捉えることに成功したと考えられる。
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